12-1,書いておきたいこと ~星~

 星を見ていた。都会じゃ見られないような満天の星空を。ここからならばどんな暗い星だって見渡せる。星座にしてもらえないような暗い星を使って僕はオリジナルの星座を作ってみる。名前は何にしようか。僕の名前にしようか。そんなことをここに連れてきてくれた両親に言ってみる。これが七年前のこと。

 僕は星を見るのが好きだ。夜になるといつも決まって空を見上げる。だめ、ここからじゃあの■■座は見えない。遠すぎるか暗すぎるのかもしれない。最近はずっとそんな感じ。見たいけれどあの場所に行く機会がない。少し背が伸びて目が悪くなったからかもしれない。でも、そんなことで星を見なくなったりしないよね? だって僕は星を見るのを止められないのだから。

 あの暗い星に行ってみたい。空のずっとずっと先にある。ねえ、いつか着くことができたのなら、こっちを見て僕に教えてよ、どんな星なのかを。

 隣の人はだあれ? って僕、聞いてみたいな。 

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