7,学園祭を考える

私は学園祭とか嫌いだ。

だってあんなにたくさんの人が来るから人ごみに揉まれなきゃいけないし、大変な作業もやらなくてはいけない。

疲れるから私は三年間、教室の隅で大人しくしていた。友達などいないから誰も気に留めない。

それで正解だった。皆、まとめる人たちの言うことなんて聞いてない。でも当人たちはちょっとずつ進んでいく様子を見て嬉しそうにしてたっけ。

夏休みは一人で黙々としんどい作業を続けなきゃいけない。だけど、九月になって皆はそういう人に向けて言うんだ。「ありがとう」って。

準備日だってそう。皆、適当な理由をつけて作業したがらない。けれど、残った人たちは文句を言いながら、笑って作業していた。

当日もそうだ。やってきた子供たちは多くて、時々ミニゲームのやり方が分からない子もいる。でも、その子達に教えてあげると教えた方も教えられた方も笑顔になるんだ。

最後だってそう。皆、二日中仕事したり遊んだりして疲れているはずなのに、結果発表では勝ったクラスも負けたクラスも大団円の空気に包まれるんだ。


どうして気づかなかったの?


私は千里の道も一歩からと言うように勇気を出して手をあげた。

「私、学園祭委員やりたいです!」

今年の学園祭はただでは終わらせない。

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