理由(2)
おれは混乱していた。多分相手も混乱しているだろう。なぜあの家におれがいたのか。そしておれも、なぜYの弟がおれの家に強盗に来たのか。そもそもなぜYの弟が強盗をしている。いろんな疑問が湧くなか、おれにはしなければならないことができたようだ。それは、Yへの連絡だ。おれはYにすぐ来てもらうように連絡をした。やはりおれからの連絡ということもあって、十分ほどで来た。おれは内容を詳しく伝えた。やはりYは驚いていた。その顔は想定していた通りの顔だった。そしてYは、弟に連絡をとっていた。しかし、弟は何も反応がなかったという。いつもは弟に連絡をしたら、すぐに反応があるらしい。今日は違った。電話をしてもでなかった。それからYは、現実を理解し始めたらしい。物凄く落ち込んでいた。それもそうだろう。Yは、弟を凄く慕っていた。そして互いに信頼し合っていた。そして弟は、いま、大学受験の真っ最中だそうだ。そんな弟がこんな問題を侵してしまったら、どうなることだろう。大学受験どころか、社会的に殺されることになる。Yは、その全てを悟っていた。そしてYは、すぐさまその現実を覆す術(すべ)を考え始めた。Yは必死だった。その様子が伝わってきた。そしてYは、ある案を思いついたらしい。だがYは、どこか様子がおかしかった。おれはYに、なにか案があるのかと聞いてみた。Yは、少し間を空けてから、重い口調でおれに言った。それはあまりにも異常な提案だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます