オカルト研究部はイヤだ!

あわやまたな

オカルト研究部はイヤだ!

 俺の名前は木村きむら 北労きたろう

どこにでもいる人間だ。

春休みも明けて俺は晴れて福岡県行橋市の猿山高校の学生になる事になった。


-1時間後、入学式が終わり、教室へ戻った。

クラス内の知り合いは皆無なのでとても寂しい。


春風が俺の頬を吹き抜けるがそんな事はどうでもいい。コンマ1秒でも早く新作ゲームで遊びたいのだ。


さっさと放課後になれ、担任の先生(おばさん)野郎、話が長いんだよ!

時代が時代なら殺してるぞおんどりゃ。

同じ言葉を繰り返すな!オウムか貴様!


先生「起立、礼。さようならー」

ハァハァ…やっと放課後だ。


学校の校舎周辺はコンクリートで固められており、舗装されている。


モブ「バスケはいかがですかー」

モブ「貴方は神を信じますかー」

モブ「和解せよー」


部活勧誘の先輩がめっちゃいる。


その中でも異臭を放っているのが校門前を占拠しているオカルト研究部だった。

わざわざテントを張り、折り畳み式の机で実験を行なっている。

魔女の格好をした女子(保護メガネを着用しているので安全対策もバッチリ♪)が怪しい液体の入った試験管をビーカーに注ぎ込み、紫の煙を放つ。


臭い。臭い。


近所から通報されるのも時間の問題だ。

他の学生は裏門から帰宅している。


_人人人人人人人人人人人_

> しかしこの俺は違う <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


1ミリ秒でも早く新作ゲームで遊びたいのだ!


俺は韋駄天の如きスピードで校門を走り抜けようとした。、が突然目の前に美少女が飛び出して来たので止まった。両肩を掴まれた。


「あんた間抜けな顔ね。気に入った!オカルト研究部にふさわしいわ!」


!???初対面で変な顔だと!?

いやそんな事はどうでもいい。

「遠慮しておきます。ですが友人にオカルト好きがいるので明日紹介します…」

韋駄天の如き反応で友人を売った。

1ミリ秒でも早く新作ゲームで遊びたいのだ。


「その友人とは俺の事かな?」


黒ローブを被った部員の4人の隙間を縫ってロン毛のイケメンが現れた。

ロン毛の名前は数野かずの 一二三ひふみ

俺の友人だ。それ以上でもそれ未満でもない。髪切れよ。


「数野…お前もう捕まったのか!新作ゲーム一緒に遊ぶと約束したじゃあないかー!」

「お前を売ってその場を逃れようと試みたのだが、結局捕まってしまったのだよ。」


ナチュラルに友人を売るんじゃねぇ!


「お友達と再会できて良かったわね。2人確保できたしノルマ達成よ!

みんなー、部室へ向かうよ!」

どうやら美少女は部長だったらしい。


 部室へ向かう間、まるでRPGのパーティのように縦一列で歩いてゆく。

前から 部長(美少女) 部員(ぶりっ子) 木村(俺) 数野(ロン毛友人) 部員(チビ女) 部員(ヒョロ男) 部員(ブサ男) と並んでいる。

逃げられるのだろうか、否。


「まだ入ると決めたわけじゃないですよ。

体験入部ですからね!」


念を押す。


数野も

「同上」

と言った。


部長は

「はいはい」

と聞き流す。

「それにしても良かったよ。

君たちが来てくれなきゃ、廃部だった!

ちなみに7人が最低人数よ」

やっぱり聞き流されてた。

俺たちの声は小川の清流かよ。


 それにしてもオカルト研究部って本当に存在するんだなぁ。

漫画やアニメの話だけかと思ってたがこの小説にも存在するんだなと思った。ふふふ。

ムゥん?なんだか少しワクワクしてきたぞ!?

期待と不安のミックスジュースを織り交ぜ吟味しながら部室に到着した。緊張して腹の調子悪くなってきた。


部室内は暗幕で覆われていた。

オカルトのそれっぽい。

「私の名前は蟹場かにば リズ。

オカルト研究部の部長よ。

君たちは?」


「俺は木村きむら 北労きたろう

趣味は天井のシミを把握する事です。

1-2教室は256個でした。キリがいいですね(笑)」

「そして俺はコイツの友人の数野かずの 一二三ひふみ

容姿端麗、頭脳明晰な美少年です。

カップラーメンが好きです」

実際その通りであるのが憎いね。


部長「じゃぁひふみんって呼んでいい!?」

数野「殺しますよ?」


部員1「部員1です」


部員2「部員2です」


部員3「部員3です」


部員4「部員4」


素敵な名前だ。


部長「自己紹介も終わった事だしさっそく活動開始ね。

7人丁度集まった事だし…

今日は魔法陣を使った異世界転生を行うわ」


!?


異世界転生!?


俺は食いついた。

「是非やらせて下さい!」

「食いつくと思ったわ。」

「手伝う事はありますか?」

「ほとんど無いわ。もう魔法陣は書いてあるから呪文を唱えるだけよ。

ところで数野君はどう?異世界に行く?行かない?」

「構いませんよ。丁度異世界に行ってみたいと思っていたところです。」

数野は答える。


_人人人人人人人人_

> 決まったわね <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

ニヤリと笑って部長が言った。



 俺たち6人は魔法陣を囲み、六芒星の周りに等間隔で円を作り、部長だけ真ん中に立った。

_人人人人人人人人人人人人人人_

> 逡ー荳也阜縺ョ謇峨h髢九¢ <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

部長は叫んだ。

魔法陣が青色に光輝く。

「部員1!コードSJISをUTF-8にずらして!」

「はい!」

瞬間、俺は無と化した。



_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/



俺は目覚めた。

感覚的にイケメンになった気がする。

起き上がる。

周りを見渡した。

緑色の丘、白い雲、そして澄んだ湖。

湖に行って湖面を覗くとイケメンエルフがいた。

そう、俺はイケメンエルフになっていたのだ。


(……聞こえる!?…どうやらこの世界では知り合いと脳内で直接会話ができるらしいの!)

「部長!どこにいるんです!?」

(あなたは動ける身体なの!?)

「はい…俺は動けますが」

(…とりあえず1番高い丘の上に集合して!)

「分かりました!」

一体何があったのだろうか?



--------------------------------------------------------------



 1番高い丘の上に行くと、野菜を抱えた部長がいた。


部長「あなたはエルフみたいね。私はネコ耳の獣人に転生したわ」

俺(木村)「可愛いですね。

ところでその野菜はいったい…」

数野(木村…俺は人参に転生したらしい)

部員1(俺はタマネギだ)

部員2(私はジャガイモ)

部員3(ウコンです。)

部員4(米です)


部長「木村くん…これがどういう事か分かる!?」

食い気味に聞いてくる。

俺「さ、さぁ…」











部長は言った、

_人人人人人人人人人人人人_

> カレーが作れるわね! <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


俺はハッと気付いてしまった。お腹が空いていたのだ。


俺は

_人人人人人人人人人人_

> いい考えですね! <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

と言った。


部長は使い慣れたように魔法でキッチンを展開した。空間魔法の類いだろうか。


さすがオカルト研究部部長だ、適応も早い。


ギャーうわぁぐぉーやめてくれー!


部長が包丁で切り刻む度に脳内に悲鳴が木霊する。


数野、部員1先輩、部員2先輩、その他2人…恨まないで下さいよ?

これは生物の摂理なんだ。

前世は俺たちはオカルト研究部の仲間だった。

でも来世である今は違う。

生産者と消費者の関係なんだ。

動物が植物を食べるのは当然。


こうやって、さまざまなものに転生するから統計学上生命は皆平等であると言う事を俺は悟った。


だから全ての生命に感謝して言うんだ…

「「「「いただきます」」」」」

…ってね。


「ところで先輩?」

「ん?」

「肉が無いんですけど野菜カレーを作るんですか?」

「肉はお前だよ!」

ザクッ


目の前が真っ暗になった。


Happy End.

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