強さとは
「正直言えば、俺だってリオンに甘えたい!」
「あらあらー」
「だが、それを必死に我慢しているのにお前がいくのは違うだろうがぁ!」
そのくらい言える程度には、リブレのリオンに対する好感度は高い。
そもそも、出会いからマイナスな印象ではなかったのだから、好感度がプラスに振り切れるのはそう難しいことではない。
マイナスな行動をとらなければの話にはなるが、リオンに関してはその心配がなかったのだ。
真っ当な善悪の判断基準を持ち、美人でその上気立ても良く?
プラスにならない理由が無い。
「うんうん、この頃リブレが素直になってきてわたしは嬉しいよー」
リブレを撫で繰り回すリオン。
やめんか!
「とにかくだ。俺はこれからもちょっと考え事が多いから、オーシリアには見張りを頼みたいんだ。わかるだろ?」
「うむ、任せるのじゃ。しっかり遊んで見張っておるから」
「うん、いや、今それがダメだって話をしてたんだが聞いてたか?」
オーケー、戦争だな?
「ま、まぁ、落ち着くのじゃ。な? わしとて命令は守っておるんじゃから、多少の見返りくらいあっても良かろう?」
「むぅ……」
なんかまともなこと言ってきやがる。
「よし、じゃあ許してやろう。だたし、ミスった時はわかってるな?」
ゴクリ。
のどを鳴らすオーシリア。
「ぐ、具体的には……?」
「まぁ、まずこっちでは外出禁止だな」
「え……?」
「で、向こうに行ったらもう杖を磨いてやんない」
「え……??」
ちょっと思いつかなかったから後から付け足したのだが、かなり大ダメージだったっぽい。
「が、頑張るのじゃ」
「おう、頼むぞ」
なんだかんだオーシリアのことは信頼している。
でないと命預けられないしな。
戦闘時には割としっかり者になるから役に立つしな。
今は杖になれないから連れて行かないといけないのが難点だが。
「で、メイド衆」
「「「はい」」」
「今日の訓練始めるか」
「「「よろしくお願いします」」」
俺の戦闘訓練と、メイドたちの戦闘訓練を兼ねて手合わせのようなものを行っている。
リオンと試してみたことがあるのだが、オーシリアなしだと相手にならず、アドバイスを求めようにも感覚的なのでわかりにくいのだ。
その点、メイドたちは理論的に組み立てるタイプなので、俺へのアドバイスもわかりやすい。
オーシリア無しだと凡人中の凡人で、メイドたちにも苦戦するってことを思い出させられるとちょっと精神的にきついがな。
そもそも、戦う前に入念な準備をするタイプなのだ。
いや、急な事態に何もできないのがダメだから訓練しているわけなのだが。
悔しいな、やっぱ。
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