お留守番

1日目

「リブレさん……」


リブレさんが眠ったまま起きなくなってしまいました。

というのも、後遺症でMPが減り続けているらしいのです。

私にはステータスを見ることが出来ませんが、ハンネさんが怪しい機械を使って調べていました。

一応、ルーリアさんにMPを分けてもらって一命は取り留めたらしいですが、未だに継続的に減っていて定期的に補給しないといけないらしいです。


「早く戻ってきてくださいよ……」

「レインちゃん……、リブレさんの調子、どう……?」

「プリンセちゃん。どうもこうもないです。スヤスヤ眠ってますよ」


あんまり苦しくなさそうっていうのがちょっと腹が立ちます。

こっちがこんなに心配してるっていうのに。

でも、時々脂汗をかく時がありますから、その時にはMPが危ないらしいです。

苦しそうにされてもひやひやして無理だから、これでいいのかもしれないです。


「そう……。大変だね……。でも、レインちゃんも、もう寝たほうがいいよ……?」

「そうなんですけど、もう少しこのまま……」


正直言って、いつの間にか消えてた黒い球の中から倒れてるリブレさんを連れ帰って、7時間くらいでしょうか。

戦闘から含めれば、もう18時間くらい起きてますね。

しかも、身体的な疲れが凄いですから。


「もう、ダメだよ……! いくら心配でも、レインちゃんまで倒れちゃったら、どうするの……?」

「……そうですね」

「私が見てるから、寝ていいよ……」


私をプリンセちゃんがひょいっと持ち上げてリブレさんの横に降ろしました。

なんて力……!


「じゃあ、お言葉に甘えて……」


おやすみなさい……。




「よし、寝たね……?」


レインちゃん、頑張りすぎ。


「よし……」


リブレさんを真ん中にして、レインちゃんと反対側に入る。

戻ってきてから寝たから、眠くないけど。

寂しいから……。


もぞもぞと動いて定位置のリブレさんの上に乗る。


「うん、生きてる……」


体温を感じて、少し安心する。


「リブレさんの、嘘つき……」


無事に帰ってくるって、約束したのに……。

寝たまんまになっちゃうのは、無事じゃないよ……。


自分の力のなさが恨めしい。

レインちゃんは、一緒に戦えていた。

私は、何も出来ずに、後ろで見てただけ。

悔しい。

私も、リブレさんの役に、立ちたかった……。

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