2日目 発覚
「プリンセちゃん! 見ててくれるって話じゃなかったんですか!?」
「ごめんなさい……」
私が一晩寝て起きると、なんとプリンセちゃんもリブレさんの上で気持ちよさそうに寝ていたのです。
「まぁまぁ、そう怒ってやんなよー。プリンちゃんはまだ6歳かそこらでしょ?」
「そうは言ってもハンネさん! 目を離してる隙にリブレさんに何かあったらどうするんですか!?」
「だから言ったでしょ? そんな急に何かなることはないって」
「それはそうですけど……」
心配なんですもん。
「心配だっていう気持ちもわかる。ただ、落ち着いてね。リブレ君ならこういう時こそ冷静にって言うと思うよ?」
「そうですね……。ただ1つ訂正しておきます。冷静になれとは言うでしょうが、リブレさんの場合、自分に言い聞かせている意味合いが強いです。何も考えていないような顔してますが、実際は意味わかんないようなとこまで考えてますからね」
「おぉ、思いもよらぬところに反論が来たね」
当然です!
リブレさんのことを一番わかってるのは私なんですから!
私はリブレさんの、か、彼女、なんですから!
「……でも、レインちゃん」
「なんですか?」
「リブレさんなら、どうしよもないと思うぞ、とか言って、でも自分はどうにかしようと動いてたりしてそうだと、思う……」
「む……!」
言いそう!
言いそうです!
流石、プリンセちゃんですね……。
油断ならないです……。
「はいはい、リブレ君は愛されてるようで何よりだよ。で、そろそろそこをどいてもらわないと診察が出来ないんだけど?」
「は、はい!」
そう言えばまだ私リブレさんにくっついたままでした!
一気に恥ずかしくなって飛び退きます。
「そんなアクロバティックな動きでどかなくてもいいんだけど……。ほら、プリンセちゃんも」
「……ん」
プリンセちゃんは最後にギュッとリブレさんを抱きしめてからどきました。
ず、ずるいです……。
でも、そんなことしたらハンネさんに付き合ってるのがばれちゃうかもしれないですし……。
「で、レインちゃん」
「はい?」
「リブレとはどこまでいったの?」
「ぶふっ!」
驚きすぎて朝ごはんのスープを吹いてしまいました。
「え、バレてたんですか!?」
「明らかに幸せそうだったしねぇー。前から好意を持ってるんだろうなとは思ってたんだけど、距離感が変わっていたというかね。ね、プリンセちゃん」
「(こくこく)」
自分でもわかるくらい、顔が真っ赤になります。
リブレさんは気付かれてることにも気づいてたんでしょうけど、なんで教えてくれなかったんでしょうか。
絶対、こうなって私が恥ずかしがるのを見たかったに決まってます!
ほんとに性格悪いです。
「……でも、レインちゃん」
「?」
「……わたしは、諦めないよ……?」
不安げに言うプリンセちゃんに、私は笑って答えます。
「望むところです。負けませんよ?」
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