目標は忘れずに
「とりあえず、これからの方針なんだが」
「「「はい」」」
自室(?)でうんうんうなってるリオンはさておいてこれからの話をする。
「とりあえず、俺のここでの最終目標は元の世界に帰ることだ」
「心得ております」
「もし、なんかの拍子に帰れた時は……」
「こちらの家をお守りしてお待ち申し上げます」
そう、俺が第六界に戻る以上、アン、ドゥ、トロワとは別れなければならない。
いずれこちらのお世話になるのはわかっているからアンリさんに聞いたところ、そのままここに住んでもいいくらいの便宜はわかってくれるそうだ。
肉体もそれなりに若くできるらしい。
やはり神様、伊達じゃない。
「じゃあ、そこはいいとして。問題は俺に帰れる見込みがないことだな。生活だけしようと思えばアンリさんから貰ったお金でどうにかなるんだろうが、3人を雇ってる以上、多少なりとも給料ははずんでやりたい」
「しかし、ご主人様。私たちはそもそもお給料も……」
「わかってるから。これは俺の我儘だから気にしないでくれ」
有給休暇もつけると言ったのだが、聞き入れてもらえなかった。
なのでせめて、給料だけはよくしようということだ。
「で、考えたんだが何かお店をやろうかと思う。俺はこの世界の人じゃないからこの世界にない商品の発想がある。いずれパクられるにしても、最初の方は儲けが出るはずだ」
上手くいけば、の話ではあるが。
この世界をうろついてわかったのだが、領主とかが基本的に世襲制なところからもわかるように、農家は農家を、商家は商家を継ぐパターンが多い。
となると、新しい産業は発展しにくく、俺の素人考えでも目新しいものであれば売れるのではないかと考えたのだ。
「こっちには、リオンの後ろ盾もある。少なくとも、リオンが満足するものを作るだけでいい」
「魔王の娘のお墨付き」という凄すぎる謳い文句が作れるからだ。
リオンは時期
どんな形にせよ、「初代」もしくは「元祖」というのは商品価値に大幅なプラスとなる。
試作段階から売り出して売れ筋のものを残していけばそれなりに形にはなるだろう。
「で、それを売るときなんだが、お前たちに売り子を頼みたい。外見もいいし、もってこいだろ」
店員の外見というのは売り上げに多少なりとも貢献するからな。
ビールの売り子で美人と普通の人ならそりゃ美人から買うだろって話だな。
「メイドの仕事からは多少逸脱するが、頼めるか?」
「「「それがご命令とあらば」」」
「助かる」
これで従業員は確保。
問題は何を売るかだな。
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