突然のカミングアウト
「ご主人様、マッサージでもいたしましょうか」
「そうだなー。折角だから頼むか」
「かしこまりました」
目立たないようにするにはなにもしないのが一番だ。
ここでは学校のように行くことを強制される所もなく、真の引きこもりになることが出来る。
なにせ、生きるために最低限のことはしなくてはならなかったあの頃とは違い、俺にはメイドがいるのだから。
「どこから出した!?」
マッサージをお願いしたらそれ専用のベッドみたいなのが出てきた。
3人の装いもいつものメイド服からマッサージ師のそれに変わっている。
それもどこで手に入れたんだよ……。
「何をおっしゃられますか、ご主人様」
「私たちはメイドでありますから」
「ご主人様のためなら何でも出来るのですよ?」
「3人でセリフ分割しなくていいから……」
3人に腕、腰、足をそれぞれ揉み揉みされる。
「ご主人様、背中が凝っておられますね」
「たぶんオーシリアが乗ってるからだな」
常にリュック背負ってるようなものだし、しかも勝手に体重移動とかしやがるからめちゃくちゃ踏ん張るのだ。
「手も少し固くなっておりますね」
「まあな」
ゲームのコントローラーしか持っていなかった時とは違い、今は小太刀を振るっている。
上腕二頭筋とかがつくのはもちろんのこと、掌も小太刀を握りしめ、すっぽぬけたりしないようにしているため、負荷がかかっているところはある。
そこはペンだこのようになるのだ。
もちろん、全体的に固くなるのだが。
「男性の手という感じがして、素敵です……」
「そ、そうか?」
こういうのは日本にはないよな。
武器なんて持たないから固くなりようもないし。
ちょっと前の世代にはあったのだろうか。
まぁ、筋肉と同じようなくくりだろう。
「ご主人様の足……。これで私を……。えへへぇー……」
「なんかヤバいことになってるやついないか!?」
不穏な声が足元から聞こえてくる。
飛び退こうにも1人が背中というかおしりの辺りに乗っているので動けない。
「ご安心下さい。彼女が不穏な行動をしようものなら私たちが全霊を以て止めますので」
「お、おう。任せた」
他2人が変な対応をしてないどころか通常通りなので元からそっちの気質はあったのだろう。
口調から察するに、矯正しようとしたこともあったようだが、実らなかったらしい。
まぁ、趣味は人それぞれだからな……。
メイド×Mとか、
ちなみにプライバシー保護のため、誰がどこにいたのかは伏せておく。
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