美人がいたら、そりゃそうなる
「お前たち、ぼ、僕と一緒に来い。破格の待遇をしてやる。今なら僕の愛人にしてやろう。そういうことだ。いいな、そこの男」
どうやらこのひょろがりの偉そうなやつのお目当てはリオン、そしてメイド3人衆だったらしい。
まぁ、予想通りと言えば予想通りだが。
こういうこと言ってくる奴は大体キモデブって相場が決まっているのだが、今回はレアケースなようだ。
「だってよ、どうする?」
「お姉ちゃんはもちろん嫌だよー」
「「「私達はご主人様のものですので」」」
「そういうわけだから、どうか諦めてくれないか?」
どうにか言葉で解決しようとするが。
まぁ、解決するはずもなく。
「なんだ、金か? いいだろう、言い値を払ってやる。いくらだ」
一言たりとも言っていない金額の話をしだす。
「
「うーん、推奨はされていなかったはずだけどー……」
言うまでもなく、人身売買についてだ。
「いくらだ」とかいうセリフが簡単に出てくる時点でまぁまかり通っているのだろうが。
俺を商人とでも勘違いしたのかな?
「悪いけど、売り物じゃないんだ。他を当たってくれ」
人身売買や奴隷商。
俺も気持ちの良いものではないが、郷に入っては郷に従えという言葉もある。
それがそこの文化なら、その地域を滅ぼす覚悟でもない限り変につつかない方がいい。
俺は自分が巻き込まれなければいいのだ。
「お、お前に選択権はない。本来なら、何も払わずに持って行っていいものを、払ってやると言っているんだ。つべこべ言わずに受け取っておけ」
「金にも困ってない。って言っても変わらないんだな」
「あ、当たり前だ。ぼ、僕を誰だと心得る」
「知らねぇ」
「ガッ!!?」
もう話が通じないことはわかった。
なら、いいや。
幸いここは街じゃないし、人目もない。
端的に言えば、真正面から殴った。
「き、貴様!」
「ダメだろ? 何もできないお坊ちゃまに相手の攻撃圏内に入らせたら。護衛が聞いて呆れるな」
今更になって俺と坊ちゃんの間に立つ護衛にもしっかりと喧嘩を売っていく。
ここで半端に逃がしたら後々面倒だ。
どうせ後から面倒ごとになるのだろうが、相手にこちらの強さをわからせておけば下手に手出しはしてこないだろう。
「やっちゃっていいのかなー?」
「半殺しくらいで止めろよ?」
リオンがもう活き活きとしている。
戦闘狂だな。
「ご主人様、私たちはいかがいたしましょう」
「3人固まって1人ずつしっかり捌いていけ。調整はこっちでやるから」
「かしこまりました」
「オーシリア」
「うむ、順番に向かわせれば良いのじゃな」
今更逃がす気など毛頭なく、すでにステッド・ファストで囲っているのだが、メイドさんたちには安全マージンをしっかりとって1人ずつ誘導させる。
「さてと。俺は喧嘩は面倒だから買わないけど、押し売りはする。精々、高く買ってくれ」
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