最弱の最弱たる所以
「はぁ、はぁ」
「あのー、落ち着きました?」
うん、すこぶる落ち着いてるよ。この世界の俺へのアンチっぷりに疑問符しかないことを除けばな!
「あ、これ落ち着いてないですね」
「これが落ち着いていられるか?!レベルの低い奴はレベル上がりやすくねーと生き残れねーだろ!」
「ま、まぁでも、いまでもここら辺のエネミーなら倒せるじゃないですか」
「あぁ。レインの力で必死こいて一匹ずつな!」
あえてもう一度言おう。これが落ち着いていられるか?!
この調子だとこのエリアを抜けられるのはいつになることやら…。
「あ!そういえば倒すのが
「レインくーん。なんでそういうことを早く言わないのかな?」
頬をみょんみょんしながら聞くと、
「
へー。この世界にもいるんだ、ド〇クエのメ〇ルスラ〇ムみたいなやつ。
「で?具体的にはどのくらい難しいんだ?」
レインは赤くなった頬をさすりながら、
「確か、攻撃魔法無効・物理攻撃耐性極大・素早さ極大でしたね」
まんまメタ〇ス〇イムじゃねーか。
「あと、姿は小さいネズミで、攻撃を当てることすら難しいそうです」
なるほどねー。それは難しそうだ。ってかネズミで防御力高いってどうやってんだよ?!
「そいつは強いのか?」
「えーと、一応
「おい待て。その
「あ、エネミーにはそれぞれランクがありまして……」
話が長いので要約するとエネミーのランクは上から
「ちなみにさっきの牛は?」
「お察しの通り
「なぁ、それ名前的にそのエネミーがいる場所の名前がついてんだろ?俺らがそこまでいくのは無理だろ」
「察しがいいですね。その通りなんですが、ごく稀に例外がいまして。この"ユラル・ラビット"はその中の一つってことです」
なるほどなー。そいつを見つけられれば話は早いんだな。
「あ、言い忘れてましたがエルフには特殊な耳がありまして……」
先はよめたが、とりあえずレインの頬を引っ張る。
「
「いいから続き」
「
「そういう大事なことは早く言えよ!」
「だって聞かれなかったですもん!」
レインが俺の手を逃れてそう抗議する。
そういう問題じゃねーだろ!俺の絶望の数分間をどうしてくれる!
ま、役に立ってもらうことでチャラにしよう。
頬をさすりながらこちらを恨みがましく見てくるレインを見ながら、
「じゃあ、当面の目標は"ユラル・ラビット"を倒すってことで!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます