第12話 冒険者達の夜
―冒険者ギルド ゼカイア―
夕方の食事時。その日はまだ長い休暇の中の一日だった。と言うのも、纏まったお金が手に入り、少し休暇を取ろうと言う話になったからだ。
前回の魔神討伐後、一週間ほどは自由行動にしようと言う事だった。カルナと狩りの競争をしたのがちょうど3日目。今日は5日めの休日となる。
休みの日ではあるが、食事はいつもの酒場で取った。冒険者ギルドは冒険者の衣(装備屋)食(酒場)住(宿屋)などを斡旋したり直接提供を行ったりする。なじみの店として利用したほうがギルド側にも都合が良い為、食事も極力は冒険者ギルドを利用した。
夕方の喧騒の中で料理を手に取り酒を飲む。
「一週間も休みがあると、流石にやる事ないなぁ」
カルナと狩りに出掛けた日以外は掘っ立て小屋でだらだら過ごしたり、街中をバウエルと散歩するくらいで、他にやる事はなかった。
「シシトウ、職業病?」
冒険者稼業とはスリルを求めてなる者も多い。当然、危険と変化に富んだ生活となるため退屈する事はない。結果として生活の安寧を得ても、それを退屈に感じてしまうようになる事もある。
「それは違うと思うがよ。それならチムチムは何して過ごしているんだよ」
「チムチムは故郷に錦を飾る為、日々魔法の勉強をしているのでしょう?」
エルルがチムチムに尋ねた。
「うっ! 急に頭痛が・・・」
チムチムが急に頭を抱えながら返答拒否を行った。
「もしかしてお前・・・上級魔法がつかえないんじゃ無くて、単純に勉強したくないだけなんじゃ・・・」
とたんにチムチムが挙動不審になった。
「・・・お前・・・故郷に期待されてたんじゃないのかよ・・・」
チムチムは頭痛がする振りをしたまま聴こえない振りをした。
「たとえやる事がないとしても、次から次にクエストを受け続けていたら気が休まらないでしょ。たまには息抜きも必要です」
「エルル殿の言うとおりだな。聞けば休みなしでいつもクエストに出ていたと言うじゃないか。流石に身が持たないと私も思うな」
カルナもエルルに同意した。なるほど。確かに最初の頃は生活費の維持にどれくらいかかるのかもわからなかった為、仕方なしに立て続けにクエストを受けていた事もある。
「んー、冒険に出ているほうが面白いせいか、じっとしているのが苦手になっちまったよ」
「あー、これはワーカーホリックの症状が出てますねぇ」
エルルは俺を見ながら、哀れんだ目をしてそう言った。
労働時間に応じて給料が支払われる固定時間制度でもなければフレックス制度でもなく、成果を評価される限りない裁量労働制度の労働現場であるので、常日頃の時間も仕事の準備期間のようなもの。必然的にワーカーホリックのような状態にはなると思う。
「お前らはよく平気だな」
「そこはメリハリ。自分できちんと区切りをつけなきゃ。迷えるシシトウよ、あなたを治療する神聖魔法はないわ!」
ワーカーホリックの症状までをも治せる神聖魔法があるのなら、ぜひとも見てみたいものだった。
「よぅ、お前ら。この間は大戦果を上げたって言うじゃねえか!」
全身刀傷だらけの先輩冒険者が話しかけてきた。
「えぇ、偶然洞窟の仕掛けを解いちゃって、そこで遭遇した魔神を何とか倒せました」
俺はそのときの状況をかいつまんで説明した。
「たいしたものだぜ! あの魔神は海運業に大打撃を与えていた魔物でな。あの魔神の討伐はこの街の悲願のひとつでもあったんだ。これが騎士団所属なら勲章ものだぜ」
「ありがとうございます。まぁ、運が良かっただけですよ」
俺は軽く謙遜して見せた。実際に黒いオーラがなければやられていた。あれが何なのかはいまだにわからない。
「いいんだぜ! お前達は俺達ギルドの顔みてぇなもんだ! もっと堂々としていてくれよ! じゃあな」
全身刀傷だらけの男は上機嫌で去って行った。
「実際問題、魔神討伐の一番の功労者はシシトウ殿であろう。随分と謙虚なものだ」
謙虚と言うよりはなにやら怪しげな、原因不明の力頼みだったのだから目立つ事を極力控えていただけだった。
「(今後も同じ活躍を望まれても大変だからよ)一市民として、一冒険者として当然の事をしたまでですと、控えめにしているのさ」
「一冒険者が地域悲願の魔神討伐を果たしちゃったら大変でしょうが」
エルルがすかさずツッコミをいれてきた。
「帝国へ多大な貢献をしたんだ。私ならもっと誇らしげにしてしまうだろうが、シシトウ殿を見習う事にしよう」
カルナはどうやら感動しているようだ。まぁ、そんな人徳のなせる業とかそういうんじゃないんですがね。ほんと。
「なんにしてもだな。俺達って有名になったのか」
「それはそうだろう。聞けば重討伐指定の魔神だったというじゃないか。あのような魔物を討伐できて、私としては鼻が高いのだがな。街を上げての祝宴を催してもいいくらいの功労だぞ」
カルナもそのように言うのなら、よほどの功績を上げたようだ。俺としては思いもがけず討伐してしまったので、かえって恐縮なんだが。何と言うか精神的に落ち着かない賞賛を得ている気がする。
それもあって街をぶらぶらしているのも気が引けるのだろう。なにせ顔を見られるなり英雄扱いされるのだから。
「ザーラム、鉱山の街。輸出、大事。これからますます、発展する」
「へぇ、この街はチムチムの町でも知られた場所なのか。交易の邪魔をしていた魔物を倒せて良かったなぁ」
そういえば、この世界に来た時にまずお世話になったのは鉱山ギルドだったんだっけ。
「これからは頻繁に輸送船の護衛などの仕事が増えるでしょうね。それもこれも海上封鎖をしようとしていた魔物の一角を討伐できたから」
なるほど。それなら街を上げての祝宴もありえる。
「それで俺達は一躍街の英雄様ってわけか」
「そう言う事。冒険者ギルドにもその手の仕事が沢山来るでしょうから、このギルドでの私達の立場もかなりよくなったのでは? 私としては
エルルも上機嫌だがチムチムも上機嫌だ。
「チムチムも、もしかして故郷への土産話が出来た感じか?」
「チムチム、英雄のいる、パーティにいる。サリアリにも、自慢できる」
チムチムがガッツポーズした。これで帰郷しても勉強が嫌で魔法習得はまだほとんどですってのは、そっちのほうがきついと思うんだが、彼女としてはどうなのだろうか。
人間控えめが一番。俺はなんとなくそう思った。なにより、あの黒いオーラの話題に言及すると大変だ。慎重にもなるというもの。
「こんなときぐらいは羽目外して飲もうか!」
俺は功労者の実感が無かったが、みんなそれぞれの理由で上機嫌なので、あわせることにした。
夜の酒場に注文が飛び交う。酒の注文を追加で沢山入れたから、給仕のお姉さんが大忙しだった。
馬鹿でかいローストビーフに山盛りのサラダ。具の沢山入ったスープ。そして色々なお酒。贅を尽くした料理の数々を愉しんだ。
―掘っ立て小屋―
昨日はいつまで飲んでいたのか記憶に無い。年齢詐称の必要は無いが、それほどなれていないお酒を沢山飲んで頭痛がした。二日酔いは人生初の体験だった。
「うぉー、これがあの二日酔いと言うやつか・・・」
ナイトテーブルの水差しから水を飲む。部屋の中を見回すと、みんな出掛けているようだった。
「もう昼間か。あー、今日はどうやって過ごそう」
くらくらする頭を抑えながらベッドから起き上がる。歩き回るには少々大変だが、動いていたほうが回復するかもしれない。と、掘っ立て小屋を出た。
太陽が真上にある。ちょうどお昼時だったのかもしれないが、まだ何も食べる気は起きなかった。
「んー、今日は何をしよう」
街をぶらぶら歩き始めるが、特に行く当ても無い。と、昨日ふと鉱山のことを思い出したので、以前世話になった鉱山ギルドでも顔を出してくるかと思い、足を向けた。
―鉱山通り ドロクロド―
相変わらず鉱夫募集中の張り紙がそこかしこに張ってある。
そういえば、最初に訪れた鉱山ギルドの日給は2,000Gだった。この間に駆け出し冒険者向けのクエストを受けて、狩り競争で得たのも2,000Gだった。同じ金額でも軽い所得格差を感じた。一方は鉱山でも危険な坑道の仕事。もう一方は、駆け出しの初心者冒険者が訓練も兼ねて行うクエスト。どちらもそれなりの危険はあることを考えても冒険者のほうは実入りがいい可能性。まぁ、冒険者は命がけの仕事でもあるので、これくらいの所得の差はあってもおかしくは無かった。
初めてのときに訪れた鉱山ギルドに足を運んだ。
見慣れたごつい男がいた。
「おっ、あんときのラッキーボーイじゃねーか! 久しぶりじゃねーの!」
「あっ、覚えていてくださったんですか!」
どうやら俺の事を覚えていてくれた事に驚いたが、良く考えると当然かもしれなかった。
「当たり前よ! 聖水晶なんてあれから誰も発掘できていねーからよ」
もしかしたらあの謎の黒いオーラで壊してしまったかもしれなかった水晶を思い出す。
「あー、あれですか。遺跡みたいなところにありましたから・・・」
「そうよ。あそこは危険だから既に封鎖してしまったが、惜しかったなぁ」
聖堂ではなく遺跡。いずれはあの場も調査したほうが良さそうな気もしたが、封鎖されてしまったのならば、うかつには触れないほうが良さそうだった。
「で、今日はどうするんだい?」
と、先輩の鉱夫に尋ねられた。顔を出したは良いが、どうするとまでは決めていなかった。俺はしばらく考える。特にやる事もないので暇だった。せっかく『採掘の基礎スキル』があるのだから、どうせなら使えるときに使っておこう。
「久しぶりに鉱山に行きたくなりまして」
「仕事の志願かい。いいぜ。道具なら以前のやつが貸し出し箱に入れてある。持って行きな!」
エルルに見つかったら、それこそワーカーホリックと言われそうだが、鉱山でバイトでもしていこうと思った。
二日酔いの醒ましにも運動は良さそうだ。
Quest Set! 「鉱山で採掘せよ!」 Get Ready? …Go!
―ザーラムで一番危険な鉱山 グラナ・ガント―
見覚えのある鉱山。そこにつるはしを持った冒険者。つまり俺だ。
「よっしゃぁ! 俺のつるはしがうなるぜ!」
まずはそこらへんをガッコンガッコンとつるはしで掘る。魔水晶は魔力を増強させる効果や保持する力があると聞く。冒険の備品として持っておくのも良さそうだ。・・・この先の冒険で役立つものを探そうというわけだから、いよいよプライベートな時間も仕事のことを考えている男になってしまったようだ。
「たしかにこれじゃあ、ワーカーホリックって言われるよなぁ」
つるはしを振り下ろしながら俺は笑った。小さい紫色の水晶がぽろぽろと出てくる。
「おっ、さっそく飯二食分をゲット!」
小さいかけら一つが飯一食分。始めに採掘のスキルをラーニングする際に、そんな換算をしながら魔水晶を貰ったから覚えていた。
「おっ、兄ちゃん。若いねぇ。飯の種分で稼ぎの勘定かい。新人のときはみんなそうするもんさ」
気がついたら老人の鉱夫が俺のそばにいた。
「おじいさんはベテランなんですか?」
「そうとも。時期引退するがね。・・・ふぅむ、鉱夫みたいな風には見えないが、兄ちゃんは鉱夫になるためにザーラムに来たのかい?」
「え? あー、いや。気がついたら一人で生きていかなきゃいけなかったもんで、とにかく何でもやろうと思って鉱山へ」
俺は初日のことを思い出して話した。
「若いのに苦労するもんだ! よし、引退する前にワシの採掘スキルの極意を教えてやろう! 坑道を作るだけではなく、塹壕を掘ったり建築の基礎工事もできるようになる優れものだ!」
老人の鉱夫が俺に新たなる鉱夫のスキルを教えてくれた。脳内に『採掘、削岩の中級スキル習得』と出てきた。どうやら採掘の基礎スキルがランクアップしたようだ。
「ありがとうございます!」
「良いって事よ。頑張りなよ、若いの」
そういうと、老人の鉱夫は手を振って去っていった。
「思いもがけず、鉱夫としてランクアップしちまったなぁ」
鉱山で採掘も可能な狩人なんて、この町には俺一人ぐらいだろう。そんな事を思いながら、坑道を掘り進んだ。
ガッコンガッコン掘り進んでしばらくしたら見覚えのある場所に出てきた。
地面が崩れてエルルのいた遺跡に通じていた場所だ。
「あっ、ここ懐かしいなぁ」
さすがに出入り禁止の張り紙が付いた板が打ち付けてあり、通行は不可能となっていた。
板の隙間から奥を覗くが、明かりが無いので先は見えなかった。耳を済ませると遠くから魔物の叫び声のようなものが聞こえた。
「うわ、さっさと退散しよう・・・」
たまの休みにいくらなんでも魔物とまでは遭遇したくない。とはいえ、いつかは探索したい場所ではある。
その後は一般の坑道に戻って魔水晶を掘る事に専念した。
Quest Clear!! Result.
・価値の低い魔水晶(100G換算)×4
・魔水晶のかけら(300G換算)×2
・魔水晶(1000G換算)×1
その日の稼ぎは一般の平均よりは少ないらしいが、それでも俺には上出来だった。とくに魔水晶の1000G換算の塊は魔力を保持しておけるらしいので取っておいた。他のかけらなどは売却し、800Gの収入。・・・これで今日はみんなに飯でもおごるか・・・なんて事を考えた。
そしてその日は上機嫌で帰路に付いた。
―冒険者ギルド ゼカイア―
「で、休みの日に鉱山で仕事をしていたってわけ?」
エルルがさも信じられないと言った表情で告げる。まぁ、当然だろう。自分でも今日はやりすぎたかなと思わなくも無い。
「ほら、俺の出発点は鉱山ギルドだったわけだしよ。顔でも出しておこうかと思ってな」
「ほう、シシトウ殿は顔が広いのだな」
「どうだか! もうわけわかんない!」
エルルは呆れ顔だ。
「そうだ、チムチム。この魔水晶を採掘してきたんだ。良かったらこれに魔力を込めてよ」
俺はチムチムに魔水晶を手渡した。
「これは、上質な魔水晶! なんの魔法、込める?」
「ん? 選べるのか? ならファイアアローを頼む」
「わかった。・・・我、炎を御する者。我が意に答え、我が敵を撃て! ファイアアロー!」
チムチムが大きな声で魔法を詠唱しながら魔水晶を握る。赤い閃光が煌いたかと思うと、魔水晶が鈍い輝きを放ち、やがてもとの状態へと元に戻った。
「これでよし。これでシシトウ、同じ詠唱、唱える。ファイアアロー、使える。威力、使い手の魔力、依存」
俺はチムチムから魔水晶を受け取った。まだぬくもりがある。・・・ファイアアローではなくチムチムの体温かもしれないが。
「チムチム、ありがとう! 大事に使わせてもらうよ!」
買えば数千Gの魔水晶。発掘したならただ同然。とはいえ、次からは道具屋で探してみようかと思わなくも無い。所持金は結構余裕がある。
「次の冒険の準備? シシトウもついにマジックアイテムではあるけれど、魔法を使うのね」
「ルーンハンターと呼んでくれ!」
「ほらほらぁ。他力本願じゃなくて地力で使えるようになってね!」
尚、魔術はナレッジスキルであり、ある程度の勉強が必要なスキル。チムチムじゃないが、俺も勉強漬けになるのは避けたかった。
「その石。使い捨て。一回きり」
「なんだ。何度も使えるんじゃないのか」
それでも十分な気はするが、少々残念だった。
「あ、シシトウ殿、詠唱の内容は覚えているのか?」
「あ、忘れてた。さっきのチムチムの魔法詠唱をメモしておこう」
「一字一句、間違えないように」
騒がしいギルド内にあっても、負けないぐらいに騒がしいパーティ。いつの間にか俺達パーティも冒険者ギルドの雰囲気に馴染んでいた。
と、その時であった。
バン! と勢いよく冒険者ギルドの羽扉が開かれた。駆け込んできたのは一人の男。
「伝令だ。だれか、この冒険者ギルドの職員はいるか?」
駆け込んできた伝令の男は息も絶え絶えに言葉を述べた。どうやらここまで走ってきたようだ。よほど急な用件なのだろう。
「何だろ、珍しいな。こんな時間にクエストの依頼かな」
「確かに始めて見るわね。夕方以降に駆け込んでくるような人」
と、俺とエルルが話し合っていると、ギルドの受付嬢のお姉さんが伝令の男に取り次いだ。受付嬢は奥の部屋に伝令を案内する。しばらくすると店内はまた元の賑やかさに戻り始めた。
が、奥の部屋からの受付嬢の大きな声で店内は静まり返る。
「えぇーっ!? 緊急事態ですか?」
騒がしい冒険者ギルド内になっても尚響く受付嬢の声。元々騒がしいギルド内で冒険者を大声で呼ぶ事も多いので、よく通る声をしていた。
「なんだろ、なんかあったのか?」「夜間依頼なんて数年ぶりだぜ」なんて声がギルド内から上がってきた。どうやら皆が伝令の男の話に興味を持ち始めた。
しばらくして伝令の男が置くの部屋から出てきて、また慌ただしく外へ駆け出していった。
しばらくして受付嬢が奥の部屋から現れる。手には一枚の紙を持っていた。
受付嬢はいつものフロント口に立つと、すぅーっと息を吸った。
「みなさーん。おしずかにー!」
それは先ほどよりも店内に良く通る大きな声だった。その声にギルド内の喧騒が収まる。
「先ほど街より緊急性の高いクエストが発令されました。これは個人受諾形式のクエストではなく、ギルド全体への依頼となります!」
受付嬢の言葉に、誰かが息を呑むのがわかった。どうやら受諾形式が異なる事は大きな違いのようだった。場に緊張感が満ちるのがわかった。
「場所は共同墓地。大規模なアンデッドの群れが押し寄せてきているようです。手の空いている冒険者も、そうでない冒険者も一丸となってこれを撃退してください!」
受付嬢の言葉に冒険者ギルド内がどよめく。
「アンデッドだって?」「大規模と言われてもどのくらいだ?」「ギルドへの発令だ。街そのものの危機とみてもよいのではないか」「俺、アンデッドと戦った事無いんだ・・・」など、様々な声が聞こえてきた。
「シシトウ殿。これは恐らく国家の一大事である。私としてはなんとしてもこの出来事を治めたいのだが・・・」
カルナがやる気を出している。彼女はどうも国に対する忠誠心が高いようだ。
「シシトウ、アンデッドは私達神職にある者達にとって宿敵と同じようなもの。これは聖戦よ」
エルルもやる気を出している。彼女は使命感から来るもののようだ。
「チムチム、頑張る」
チムチムはいつもどおりだった。
他の冒険者達は準備をはじめ、気の早い連中は既に出立した後だった。
「俺達も行くか!」
ギルド一丸となってのクエストとなると、俺も初めてだったのでドキドキしていた。
長い長い夜の始まりであった事など、この時点では知る由も無い。
Guild Quest Set! 「共同墓地のアンデッドを殲滅せよ!!」 Get Ready? …Go!
第13話へと続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます