作者の告白4 男根シティはマジであるかも……。

 突然ですが、女子変態祭なる企画をはじめた作者です。

 この作品の趣旨と同じく、エロ漫画や小説はけっして女性を性的に搾取するものではない。女性もエロいもの書いてるよと主張する、高尚なのかふざけてるのか分からない企画なのです。

 現在、この作品と同じ物書きさんの八谷 響さまにご参加(寂しくて引きずり込みました……)して頂いております。女性の方で我こそは変態作品書いてますって方はよろしかったらどうですか……。独りは寂しいのです……。

 それはともかく、香嬢が降りたった男根シティ……。世界中の古代遺跡をくまなく探しまくったら、たぶん出てくるんじゃないでしょうか……。そのぐらい、世界は男根信仰で覆いつくされています。はい。

 私がtwitterでフォローさせて頂いてる方に深沢さまという日本の性信仰を研究されてる方がいらっしゃいまして(滅茶苦茶美人です……)、この方の固定ツイートにある纏めモーメントがそれはもう凄いんですよ。出てくるわ、出てくるわ、日本全国の男根信仰……。男根祭り……。しかもご本人が直接取材しに行って、祭りに参加しているという……。深沢さまと、日本のご先祖様たちマジパネェって思いましたね……。

 インドでも破壊の神シヴァは男根の彫像にされますし、去年の平壌オリンピックでもモルゲッソヨ(分かりません)が話題になりましたよね。あれは人間の欲望を表した現代アートらしいですが。

 日本だと道祖神とか金精神とかが有名なのかな。テルマエ・ロマエで出てきた温泉に男根ぶっこむ祭りも凄かったな……。

 世界は広いから、たぶん男根シティに匹敵する凄い男根信仰のシンボルが近い将来発掘されるかもしれません……。よく神社やお寺である体内廻なんて言われてる洞窟を潜るやつも入り口を女陰に見立てておこなってますし、人間は昔から性器に強い関心があったんですよね。

 何というか、人間が万年レベルで築いてきた男根信仰に比べれば、近年の漫画やラノベに見られるお色気描写なんて可愛いものだと思うんですよ。うん。それもあと何十年かすれば、当時の様子を知るための貴重な資料になる訳だし。

 ちょっと自分の妄想かもしれませんが、こういった日本に伝わる性信仰が批判の対象にならないか心配になるときがあります。今はアニメや漫画などの二次元的な表現が叩かれている状況ですが、この方たちが自分たちの価値観を伝統文化に向けてきたらどうなるのかって思うことがあるんです。

 我が家には神話・伝承事典という素晴らしい本があります。世界中の神話に出てくるシンボルや神々を解説した本ですが、この本、面白いことに『女性的な視点から神話を捉えた』本でもあります。ただこの本、ちょっと問題がありましたて、この本原作者バーバラ・ウォーカーさんの独自解釈が多いらしいんです。その解釈も味があって素晴らしい者ばかりなんですが。この本曰く、西洋は母系中心の文化から父系中心の文化に移り変わった解説されているんです。果たしてそうなのかと言い切れないのが歴史の楽しいところ。

 実際にイングランド諸島に古くから暮らしている島ケルトの方々の神話を見ても、家長を務める神さまは男神であることが多いいですし。たぶん、その地域の環境や価値観の違いによって様々な形態の民族が世界中にいたはずなんです。

 女中心の民族もあれば、男中心の民族もいる。いいやそうじゃない。どっちもどっちな民族もいたはず。一概に、この地方では男系が有利だったとか言い切ることは出来ない……。

 じゃあ日本はどうかというと、女性の社会的地位は古代においてかなり高かったんじゃないかと私は考えております。実際、天皇のご先祖様は女性の神さまですしね。よく日本の女性は男性に差別されてきたと言いますが、果たしてそうなのかと私は疑問に思う。

 例えば、近代になるまで女性は富士山に登ることができませんでした。これを男尊女卑だという方々がいます。でも、富士山を司ってる神様って桜の化身であるコノハノサクヤ姫なんですよ。女の神さまが富士山の神として祀られてるんです。

 女の地位が低く見られているとしたら、どうして女人禁制の場所を司る神様が女神なんでしょうか? 

 これ、女神様が嫉妬するから女性は富士山に登れなかったらしいんです。登ると女神様に嫉妬されて祟られる。そうならないように女人禁制になっていたらしい。

 同じことが猟師でお馴染みのマタギさんが入る山でも言われているし、私の生まれ育った群馬にある榛名山でも同じようなことがいわれている。

 どうもこれ、男性の修業の場や危ない男の仕事場に女性を入れないための方便らしいんです。でも女は邪魔だなんて言っちゃうとと女性の立場が悪くなるから、女神様が嫉妬するなんて設定を作ったんじゃないかな? そう考えるとけっこうしっくりするものがあるんですよね。

 近代になると海軍の艦隊にもこの設定は流量されたみたいですね。艦隊これくしょんて流行ったじゃないですか。アレに嵌っていた弟から教えてもらえました。艦隊たちは海の神であるスサノオの娘たちだから、その艦隊に女の私たちは乗れないらしいんです。今は違うみたいですけどね。

 たしかに女性に対する差別はあります。

 今、話題の医学部の不正問題。合格していたのに落とされた女の子たちは本当に可哀想です。でも、下駄を履かせられて合格した男の子たちは、これから先どうなるんでしょうか? 医者になるの辞めちゃう子も中にはいるかもしれません。女はそう扱って良いと思い込む子も出てくるかもしれません。

 そういった不正の背景にあるのは、男女雇用機会均等法が施行されても変わることがない女性の低い所得です。これは子供を生んで職場を離れなければならない。子供を育てるために仕事の時間を減らさなければならない女性が大勢いることを示しているとも言えます。

 子供が大きくなって職場に戻ろうにも、正規職に就くことは難しく非正規やパートで働いている女性がほとんどではにでしょうか。 

 それを平気で『女は重要な仕事に就かないから、医学部には入れられない』と言い切る人たちがいる。変えなきゃいけないのは、重要な仕事に就きたくてもつけない女性たちの現状だというのに……。

 でも、そういった問題って言い訳をする男性たちを叩けば解決するでしょうか?大元である『女性が働きずらい社会構造』を変えない限りこの問題は続くと思います。肝心なのは、問題の大元をきちんと調べてそれを正していくことだと思うんです。そこに男も女も、誰が悪いもありません。

 昔、放送大学でジェンダーの授業を専攻したときに、榛名山に女人禁制の文化があることは男尊女卑だと言い切った先生がいらっしゃいました。

 はてしてそれは本当でしょうか? 本来女性が入ると都合が悪い場所に女性が入らないようにすることは男尊女卑とは少し違うと思います。イスラム教の聖地であるメッカに入ることが出来るのだってイスラム教徒だけです。でも、それを差別だという人はほとんどいません。

 差別は悪いことですが、『女性だから禁止』にはときにちゃんとした理由があることもあります。まずは、そこをきちんと見極めることが大切だと思うんです。

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