童話「星の降る夜は」

@SyakujiiOusin

第1話

          童話「ほしの降る夜は」

 

                              百神井 応身


 まだ、学校で教えてもらっていない小さかった子供のころ、夜になると暗くなるのが不思議でした。空がぐるっと回って、暗い方の世界にいくのだと思っていました。

 夜になると、空一面に星が出ます。

 むかしの人は、明るい側の光が、空にあいた穴から、こぼれ出るのだと思っていました。

 皆さんは、ドウダンツツジというのをご存知でしょうか?漢字では、満天星と書きます。

 白い花がちりばめられたように咲く姿が、空一杯に広がる星と似ていると感じたのです。

 それと同じように、星が一杯にでている夜を、星の降る夜といいあらわします。

 どちらも、素晴らしい感じ方だと思いませんか?

 星が沢山出た夜には、お父さんお母さんと一緒に、空を眺めて見るのも良いことです。

 星の降る夜には、草むらから虫の鳴き声が聞こえてきます。

 スズムシだとか、マツムシだとか、ウマオイだとかと聞き分けて、静かな夜を楽しむことができます。

 ところが、虫が鳴いているのを声として聞くことができるのは、世界でも日本人とポリネシア人だけなのだそうです。

 他の国の人達には、あの美しい虫の音が、雑音としかきこえないのだそうです。

もったいないことですよね。

 でも、外国人でも、日本で生まれて日本で育つと、虫の声が聞きわけられるようになるのだそうです。不思議ですよね。

 自然と親しみ、自然を大事にしていることでやしなわれる感性なのかも知れません。

 むかしの人たちの中には、自然の神様たちとお話しができた人もいたのだといいます。

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