第5話 異世界の食事2
しばらくすると、エプロンをかけたクルムが大きな鍋を手で持ってくる。
大きな鍋には茶色い汁に白、赤、黄、緑、紫の具が浮かんでいる。
「これは…」と俺が問いかけるとクルムは
「これはトナピガモ汁。トナピガモについてる実からとったの。」
「トナピガモってこんな実をつけるのか」俺はそう納得しつつお玉みないなもので汁をすくう。自分の椅子に腰かけたところであることに気づく。
「サクラさんは…」と話しかけたところでクルムは間髪入れずに、
「サクラはお風呂場。絶対に覗いじゃだめだぞ。」と注意される。
結局二人でそれを食べることに。
「すっげーおいしい!」
俺は思わずこう言ってしまった。この世界について色々聞きたいことがあるけど、トナピガモ汁のおいしさにそれをわすれてしまう。というか人生で味わったことの無いようなおいしさなのである。おそらくだが自分は対しておいしいものを食っていなかったのだろうと感じた。
顔を上げてクルムを見つめていると、クルムは恥ずかしそうな顔をしてこうつぶやいた。
「ありがとう。」
夕飯を食い終わった…その時、ドン、音が聞こえた。
俺が聞こえたほうに行くと、湯気が出ている。どうやらお風呂場のようだ。脱衣所を抜けて風呂場を覗くと、サクラがうつ伏せで倒れていた。
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