第4話 異世界の食事1
俺はベッド の布団の中でしばらく考え込んでいた。
ここはどんなところだろう。なんでこの世界に来たのだろう、いや自分から首吊ってここに来たんだからこう考えるのはどうなんだと思われるかもしれないが、実は一時のノリで失敗してしまう男であり、記憶にない前の世界でも同じような事をやっているのではないかと気がしてしまう。そしてこの世界でも。そして結論が出ないまま俺は眠気をもよおし、そのまま寝てしまった。
「起きろー」
突然部屋の中に大声が響き、俺は目が覚める。
目を開けるとクルムとサクラが立って俺の顔をじっと見つめている。起きたのを確認したクルムは、
「夕飯の時間だから呼びに来た。」
そう言って俺の腕を引っ張って部屋の外へ向かわせる。その後ろをサクラがついてくる。廊下や壁天井は木製なのか塗料が剥がれかかって時おりミシミシと音がする。階段も同様で板が抜けるのかと不安に思えてくる。途中にある鏡に自分が映ったが、服装や体つきは元いた世界と変わっていないように思えた。
夕飯が用意してあるという部屋につくとテーブルの周りに椅子が配置されていて、天井から丸い電球が紐でつり下げられていてかなり眩しく白い光を照らしている。
横にある木で作られていただろう棚にはオーブントースターとケトルみたいな物がおいてある。間違ってはいなかった。やはりこの世界には電気がある。調理場は別の部屋にあるのか料理は運ばれていない。
「ここに座って」
サクラが椅子を引き出し俺を誘導する。
「料理はできてますか」
俺椅子に腰かけてサクラにいうとうんと言ってそのまま別の部屋に行ってしまった。
クルムも一緒に後ろについていく。
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