第3話 魔女と少女

「ようやく話が通じるようになったね。」

魔女は何か誇ったかのように話しかける。

俺は突然人間の言葉、それも日本語が飛び出して頭の処理が追いつかない。


「男の人起きた?」

さきほど俺をさすって魔女を呼んだと思われるロングヘアーの少女が戻ってきた。

俺は2人をボーっと見つめていた。


「とりあえず体は健康そう。異常もないみたいだね。」

魔女は安心した顔で呟く。

「あなたたちは何者なのですか?」

俺は2人に問いかけた。

すると魔女は

「まず自分から名を名乗りなさい」

といってくる。

「俺は…誰だっけ」

思い出せない。確かに前いた世界のことは覚えている。首をつって意識が飛んだことも、この世界に来て魔女に首を絞められたことも。でも名前などは記憶のどこかに飛んでしまい出てこないのだ。すると沈黙が長すぎたのか魔女は、

「この魔法、10分ぐらいしか持たないから後2分で切れるから急いで紹介するわ。私はクルム。この町で魔女をやっているものだ。隣にいるのはサクラ。ちょっと居候してもらっているこの家の娘だ。疲れたのでまた呼ぶから…」

ここで魔法が切れたらしく2人の言葉はまたわからなくなってしまった。

クルムとサクラは呼ばれたらしく、俺のいる部屋から去っていった。















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