第3話 光が指す方へ

警察との話は事故をより不可解なものにしていた


背の高い刑事が事故の現状を教えてくれた

「詳しい事故の原因は捜索中ですが車が爆発したことは間違いなく、周辺の目撃者によると独りでに爆発したと情報が入っています。天鍵門さん一人が犠牲に....」

「車が独りでに爆発ってあることなんですか?」

「ほとんどが外部から操作された場合に爆発するので今回は事件性が高いです。そして天鍵門さんの四肢の件ですが....捜索中です。」


別の考えがあるように見えたが俺には言えない何かなのかもしれない

「そうですか....何かわかれば教えてください」

「わかりました」

そう言って刑事は病室から出て行った


時間が経つのは早い

夕方のワイドショーはゴールデンタイムのバラエティ番組になり

病室の窓から照らす夕日は落ち、白色の蛍光灯の明かりは心を悲しくさせた


不思議と怒りは沸いてこなかった

それよりもこの不可解な疑問を解決したい気持ちのほうが強い


確かにあれは帰り道だった

いつも通り歩いて帰ってるときに道路脇に止めてある車が突然爆発した

両腕を出してとっさに防ごうとはしたけど、それでも腕だけきれいに吹っ飛んだとは思えない

ましてやその状況で両足も消えるとはもっと考えられない


「ということは別の可能性....」

祖母が不審げな顔でステラを見る


医療ミスか?搬送された際に手術のミスで両手足を....いやないな

なら誘拐?帰り途中で眠らされて誘拐、手足を切断して....身代金の要求があるはずだけどそれも特にないし家はそんな富豪じゃない....

その手足をどこか海外に売るとかか?.......それなら車を爆発させる大きな理由が無いし手足だけじゃなく臓器とかもっと売れる部分があるよなぁ....


「はぁ....」

疑問が解決しないことがため息に出てきた


「ステラ....」

祖母が深刻な顔で話しかける

「大丈夫や....」


ステラよりも祖母の方が手足を失ったような気持ちになっている

「ありがとばあちゃん。もう大丈夫....何とかなるよ」



「こんばんわぁ....ステラ君のお見舞いできたんですが」

入口から不安げな声が聞こえてきた

「おおっ!いた!ステラ!大丈夫なのかぁ!!」


「おお、見舞来てくれたのかっ」


同じクラスのシリスとプレスがお見舞いに来た。担任のスガモもいる


「元気そうだな!いやぁ爆発で吹っ飛んだって聞いたときは死んだと思ったよあはははっ」

シリスはいつも陽気で気さくだ


「心配したぞ手足が....無いんだよな大丈夫か?何かやれることがあれば言えよ?」

プレスはいつも俺を心配してくれて困ったときは助けてくれる


「ああ、大丈夫だよ。流石に手足無くなったのは心にきたけど....まぁ何とかなるさ」

「天鍵門....少しは元気そうでよかった。こんな時に何だが一応学校のプリント類を持ってきたから置いとくぞ。今後はどうなる感じなんだ?」

「先生..ありがとうございます。今日病院に泊まったらもう自宅に帰っていいみたいなので明日は帰ります....けど学校は....」

「そうなのか....まずはしっかり休めよ、心をしっかりと持ってな!学校はしばらく休学になるから、通学等は今後しっかり考えていこう」

意外と先生も熱いところがあるのを初めて感じた

「はいありがとうございます」


「そんな深刻な顔すんなステラ!手足が無いってことは最先端の義手義足をつけれるってことだろ?普通の人間より最強になれるんだ!お前は人間で一番強い」

「確かに..」

シリスの言葉に納得してしまった

「あんま大きい声出すなよシリス....。ご飯とかまだ一人で食べれないだろ?いつでも呼んでくれれば来るから」

「うん、サンキュー」

「そろそろ帰るぞお前ら、それじゃな天鍵門また来るからな」

「はい先生、ありがとうございました。お前らもありがとな」


「じゃあなステラ!いつでもいるからな!人間不信になるなよ!光はいつでもお前をみ........」扉が閉まる

「変わらないねぇシリス君はねぇふふっ」

祖母が先生が持ってきた果物を剥きながら言う


「うん....本当にいい奴らなんだ」












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