インタビュー癖


 ええ、そら何べんもあります、数え切れへんくらいありますわ。


 あのねえ、拳銃っちゅうもんは、わたしそんなに怖い思たことないんです。弾が出てくるまではね、ああゆうカッコしただけのもんや、ちゅうね。弾が出て、まあ初めて怖いわけですけどね、それかて当たるかどうかわからんでしょう。


 それよりも日本刀ね。剝き身の日本刀。あれは怖い。もう、見ただけで怖いですわ。よう切れるでしょう、もう肌に触れたら確実に血ぃ見ますわね。あれ振り回されたらねえ。ああ、今日で死ぬかもしれへん、腕一本なくなるかもしれへん、とかね、まあ思いましたね。


 それでもわたしらの学校行ってた時分はね、どのような場合も警棒一本で対応せえ、絶対撃つな、ちゅう方針やったんですわ。無茶苦茶でしょう、今思たら。今はそんなことありませんよ、今はしゃあないときは撃ってもかまへん、て教えてますわ。まあそれでも怖いですわねえ。


 あー、女の人相手の仕事はやりにくいですねえ、なんぼ言うたかてこっちは女性は気ぃ遣います。女の人用の留置所がね、あるんですけどね、まあいつも満員ですわ。超満員。そらもう、若い十代の子からおばあさんまで。女の人は人殺したり暴れたりとか、まあそういうことはめったにありませんね。でもねえ、わたし見てて思いますけどねえ、女の人いうのんは、男にだまされたら終いですわ。女の人はね、付いた男のよしあしですね。ほんま。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る