レイドロー マウピーしてても男前
レイドロー マウピーしてても男前
上はわたしのこころの十七文字である。
去年のラグビーW杯を見ていて強く思ったのが、近頃のマウスピースはすごいな、ということだった。よく知らないのだけれども、ひょっとしてむかしよりうんと薄く、高性能になっているのではないか。
わたしが高校生だったころ、マウスピース、すなわちマウピーを装着する男たちは、コーネリアスかと思うくらい、一瞬でサルっぽくなった。マウピーを上の歯に嵌めこむと、どうしても、あれは人中というのか、上唇部がその厚みの分浮き上がって、類人猿似になってしまうのだった。
ところが、W杯で見た各国代表は、マウピーをつけていても外していても、ほとんどその顔面の状態に変化がみとめられなかった。派手なカラーリングのマウピーをつけた選手は、ああ、はめてるな、と当然すぐにわかったが、透明のマウピーをしている選手などは、ひょっとして丸腰なの? と疑うくらいに自然そのものだった。スコットランドの文句言いレイドローも、さすがにこのマウピーの進化には文句がないのではないかと思った次第である。
わたしもマウピーが欲しい。夫によるとわたしの就寝中の歯ぎしりが道路工事ばりにひどいらしいので、歯医者さんに行って、歯ぎしり防止用のマウピーを作った方がいいなと最近思っている。でもやはり、マウピーというものは荒くれスポーツで着用するもの、という意識が強く、はめたらどうにかなってしまうんではないかという一抹の不安がある。あれを使う以上、自分もなんかせんとあかんのちゃう? という気分がわき起こり、今更女子ラグビーとかテコンドーとに手ぇ出したりするんではないか。怖い。
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