第14話

武闘派インタビューアー、リリコ。


世界各国を股にかけ、様々なハリウッドスターと面識がある。


フリーになってからは、紛争地帯などにも足を運び、戦場で生き抜く術を学ぶ。


そんな彼女は、あの武〇壮に、こう言わしめた。




「多分、勝てないっす」
















(うらあっ)




 友恵は、リリコの懐に飛び込むべく、前方にステップを踏んだ。


しかし、ジャブで押し戻される。




(くそっ)




 リリコのジャブによる弾幕で、簡単には近づけない。


今度は逆に、懐に潜られ、右ストレート。


ガードの上からにも関わらず、正確に脳天を打ち抜く。


友恵は、その場に膝をついた。




「もうダウン? さっきの威勢はどうしたのかしら」




(左はショットガン、右はスナイパーライフルか……)




 通常装備では相手にならない。


友恵は、ゆらりと立ち上がると、腕をクロスさせ、叫んだ。




「わりーが、使わせてもらうぜ。 ギア・セカンド!」




 ドルルン、というエンジン音。


そして、友恵の口から、白い息が吐き出される。


この技、一時的に身体能力が向上するが、終わった後は賢者モードになってしまう、リスクを伴う技である。


友恵は、短期決戦を仕掛けた。




「おらおらおらああああっ」




「……!」




 目にも止まらぬマシンガン。


リリコのガードの上から、容赦なく浴びせかける。


リリコの体が宙に浮いた。




「今だっ、友友のおーっ、嵐ストーム!」




 体を捻り、反動を使って更に連打。


とうとうガードを弾き、ボディに炸裂させた。




「ぐはっ」




 リリコが地面に倒れる。


友恵は拳を高く掲げた。


返り血を浴び、その姿はまるで鬼神である。




「……インタビューは、私がやらせてもらうぜ」




 10カウント。


結局、リリコは立ち上がれなかった。


しばらくして、リリコはどうにか起き上がり、友恵に手を差し伸べた。




「あなたのパンチ、効いたわ。 今回は私の負け。 だけど、次は必ず勝つ」




 友恵は、その手を取り、握手を交わした。




「ああ、またやろうぜ!」
















「じゃあ、早速インタビューなんすけど……」




 リリコに代わり、インタビューをする友恵。




「イクラデモハラウカラ、コロサナイデッ」




 血まみれの友恵を見て、怯えるジョニー。


結局、インタビューにはならず、資金を調達することに成功した。

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