第11話
話を聞いて驚いたことは確かだったが、その時の俺には、気持ち悪いとか怖いとか、おばけだとか、そういった子供じみた感想は一切浮かばず、ただただ安心したことを覚えている。
この秘密を共有し、それを守り通しさえすれば。大好きなこの女の子は、きっとずっと一緒にいてくれる。
でもそれは裏を返せば打算そのものだった。丁度その頃くらいから、俺は玲奈が自分の物だという、勝手な決め付けや振る舞いを次第にするようになっていった。
暫く経ったとある日、俺は玲奈に尻を丸出しにするよう命じ、その日は自分の気が済むまで触ってみようと思い、天井に向かってぴんと立った黒い尻尾を30分程こすこすといじり倒してしまった。
玲奈は痙攣し、尻尾の先からぬるぬるの液体がびゅうびゅうと大量に噴き出した。
その時の玲奈の泣き声が、俺の頭の中から、いつまで経っても消えていかない。
始まりは俺が風呂を覗いた事だった。あれから何年も経った今でも、玲奈が風呂に入る度に、ベッドに突っ伏し、むせび泣くその女の子が、再び俺の前に現
(ガラガラガラ)
「祐……家のシャンプー持ってきたよ……コレいい匂いって言ってたよね……」
「玲奈アアア!! 回れ右だ! これは命令だぞ!」
「何……? しないよ……寒いから早く入れて……」
「何なのお前ら……この世界に来ると大胆になっちゃう呪いでもかかってんのか?」
「……お前らって?」
「れ、玲奈、俺はな。お前に悪い事したのを思い出すから、一緒に風呂入りたくないんだよ」
「心の底からどうでもいい……祐、ちょっとそっちずれて……」
「……。」
玲奈は俺の脚の間に尻を入れると、ぐりぐりと自らスペースを空けて背中を預けてきた。
玲奈の尻は相変わらず大きくて、俺にとっては昔からもう大好きな安産型の「The 尻」だった。
「な、なあ、俺ホントそろそろもう限界なんだぞ。俺のカッチカチ当たってるの気付いてるだろ?」
「うん……あっと言う間にカッチカチになった……反応してくれて嬉しい……」
「し、尻をむにゅってしないで……やだ……尻尾に巻かれるなんてやだ……」
「ごめん……そうだね……手のほうが優しい……優しくしてあげるね……」
幼き日々に思いを馳せていたというのに、クソっ、コイツにとってはトラウマどころか、性の悦びを知るファーストステップだったとでもいうのか。
莉奈には悪いが、もうヤってしまおうかと思えてきた。おっぱいの先っぽにある茶色いモノに吸いつきたい。カッチカチをぷんにゅぷにゅに挟み込みたい。
そんな葛藤を知ってか知らずか、玲奈は無言で尻圧なんぞかけてきてやがる。畜生……だがこんなトコで、俺は堕ちる訳にはいかない!
「くすっ……ただの言い訳だね……入りたくないって……どこに入りたくないのかなあ……」
もうダメだカッチーンと来た。玲奈のくせに挑発!? そして俺は今理解した。この世界に来て、コイツは、俺に対して何らかの優位性のようなものを感じている。
よーし分かった第二ラウンドといこう。お前は魔女で聖女だかで強いのかもしれないが、俺は幼馴染みで、お前を知り尽くした男だ。
向こう向きでくっついているのが運の尽き。俺はおっぱいに置いていた両手を湯船の中へ移動させ、右手で尻尾をギュッと握り、左手を玲奈のあの部分に滑り込ませた。
「!! ……ゆうゥ……アアっ……あアアッ……」
「くっくっくっ。どうした? すぐに太腿が震え出したぞ?」
「ああーーアーーーッア゛ーーーーーッ」
「れ……玲奈?」
反応が早い……早すぎる。
玲奈の尻尾の先のハートの部分を水面から出すと、天井の照明を映し出す程に光沢を帯びている。
ぱんぱんに張ったその部分と、同じくぱんぱんに膨れた股間のおまめさんを、指先に力を込めて同時に擦り上げていく。
「祐がとうとうっ……自分からしてくれてるッ……すごいぃ……幸せぇッ」
「お、おおう。こうか、二ヶ所はそんなにいいのんか?」
「……あーアーーーっ、ア゛ーーっア゛ーーーーッ!! ヒィイーーーーーーーーーーっ!!!」
「う、うわっ、うわあああ!!」
玲奈はまるで音階を奏でるような声を上げた。あん、あんという女の嬌声ではなく、反射的な動物のような声だ。
水面から出た玲奈のハートから、粘性を帯びた塊のような液体が、ボシャッ、という音と共に天井に向かって吹き出した。
握っていた俺の手にその感触がはっきりと伝わり、2回3回と繰り返され、俺と玲奈の頭にびちゃびちゃと降ってくる。
玲奈の身体は硬直し、尻尾の脈動と共にビョクッ、ビョクッ、と大きく引きつり、口を大きく開け、俺の腕に傷がつくほどに爪を立てている。
「はあっ、はあっ、アアアあっ……!」
「……は、ははっ。盛大に吹いたなっ。どうだ玲奈、俺に勝とうだなんて、後悔したか?」
「後悔……はあっ、はあっ、祐にされた事で、後悔なんて……一度もない……」
「そ、そうか。ちょっとやりすぎたか? ごめんな」
「祐が……悪いよ……いっつもそう……祐が悪くて……私は嬉しい……」
「れ、玲奈?」
「キスして……祐……」
玲奈がこちらを振り返り、口を開けて舌を出した。
俺は目を瞑り、その艶かしい感触を受け入れ、唇をぴったりと付けて互いの口腔を味わっていく。
やおら目を開けると、玲奈の顔は当然目の前の至近距離にあり、だがそこで俺はいつもと様子が違う事に気が付く。
その目はまるで俺を捉えるように見開かれ、脳へ直接届くような、鋭くて赤黒い光を瞳に宿し……気が付けば俺は、ベッドの上で天井を見上げていた。
――窓際に置かれた一人用のベッドの上で、眠りから覚めた。
窓からの柔らかな日差しが俺の頬を撫で、何組かのつがいの鳥の鳴き声が、外から聞こえてくる。
「んっ、んーー……。ああ……よく寝たなあ……」
「祐……おはよ……」
「おはよう……玲奈。今日もかわいいぞ……」
「うん……ありがと……朝チュン……しちゃった……」
「そうだな……今まで何回も……したけどな……」
「うん……」
シングルサイズより少し幅の広い、それでも二人で寝るには狭いベッドで、未だ起き上がらずに、二人で静かに朝日を浴びる。
ベッドの下のほうからは、なんだろう……一度濡れたシルクのシーツが自然に乾いたような……少しゴワゴワした肌触りを感じる。
「玲奈……」
「……なに?」
「ゆうべ……俺は勝ったのか……」
「うん? ……どうだろう……」
玲奈はゆっくりと身体を起こし、左手をベッドに置いて、体を支えた。
右手で俺の頬を撫で、顔をゆっくりと近づけてくる。
「……私は……どっちでもいいよ……」
唇を塞がれた。俺は昨日と同じように、目を開けて玲奈の瞳を覗く。
俺がよく知っている、いつもの茶色い瞳だった。頭を撫でるといつもの玲奈は、ほんの少しだけ身体を震わせて、ゆっくりと目を閉じた。
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