夢の終わり①
━━夢の終わりは突如として訪れた。
何度目の目覚めだろう。
1面、綺麗な女性の首、首、首、首、首、首。
皆、瞳を閉じている。
静寂のみが支配する空間。
「……葎子! 葎子! 」
突如として静寂が破られた。
……誰? 私を呼ぶのは。
声のする方を見遣る。
目を見開いた。
視線の先にいたのは、恋した男性。
でも様子が違った。
血相を変えて私を探している?
「葎子! 葎子だな?! こんなにされて! 」
私の入ったケースを抱きしめた。
瞳が開いていたから私だと推測したのだろう。
ねぇ、私をこうしたのはあなたでしょ?
「い、今出してやるから」
嫌な予感がした。
徐ろに腕を振り上げる。
拳がゴンっと鈍い音を出してケースを叩く。
視界が揺れた。
「ダメか、落とすわけに行かないし」
その瞬間、ピキピキと音を立てて割れる。
「「え」」
中の水が飛び出し、同時に発した。
だが、それが私の最後の言葉になる。
落としそうになった私の(表面はあの女性の)首を支えた途端、私の視界が落下した。
首の位置は変わらずに。
……グチャり。
嫌な音と共に視界を失い、頭の感触も消え、全てが暗転した。
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