第27話 現有戦力

 グレーの市街地迷彩の戦闘服に着替えたミノリン先生はM16アサルトライフルを構える。


「昨夜、幸いにも我々は意志疎通を図ることができた。まあ、お前たち三人と食事をした後だがな」


 私はその言葉に頷く。

 美濃は話をつづけた。


「さあ紹介しとこうか。トリニティは魔法使いだ。古代なんちゃら帝国の末裔だったかな?」

「魔法使いはよしてくださいよ。勘違いする人いますからね。ムーのウィザードって呼んでください」


 魔法使いの方を訂正した。なんちゃら帝国はそれでOKなのか……。いやしっかりとムー帝国を示唆しているか。


「そして義一郎は宇宙人とつながりがある。今回は人型機動兵器を借りてきたんだよな」

「はいそうです。連合宇宙軍という組織から戦闘人形エリダーナ・セイバーを拝借できました。ビームライフル装備型です」


 え?

 理解できないんですけど。

 宇宙人?

 戦闘人形?

 なんちゃらセイバー?

 意味不明だ。


「そしてミミ先生は戦車だな」

「ああ。旧陸軍の三式戦車チヌ改だ。時間移動でな。終戦のどさくさに紛

れてかっぱらってきた奴がある。主砲は76.2㎜の17ポンド砲に換装してあるぞ。こいつはドイツ軍の88ミリに匹敵する貫通力を持っている。エンジンもいすず製の350馬力に換装済みだ」


 戦車。

 旧陸軍?

 もう何が何だかわからない。


「最後だな。私は某海外の非合法組織の一員で傭兵派遣業も営んでいる。そこでインストラクターもしていたからな。戦闘経験は豊富だ」

 

 只者ではない雰囲気なのは知っていたが、そこまでとは知らなかった。拳銃と、くの字に折れ曲がった大型のナイフを腰につるす。


 自分の身の回りにこんなヤバイ人たちがいたなんて、もう腰が抜けそうなほど驚いてしまった。

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