第26話 状況確認
「何があったかもう一度説明しろ。星子も当事者だからな」
「分かった。全て話そう」
徐に三谷が話し始めた。
「私は異世界転移研究をしている。この度もそれに成功し、とある異世界を探訪していたのだ」
皆が三谷をじっと見つめる。三谷の話はこんな内容だった。
異世界へと赴いた三谷は異世界の景色を堪能していた。林の中からとある屋敷の庭へ偶然出てしまった。三谷はそこでたまたまゲップをした。その庭では偶然王が食事をしていて酷く機嫌を損ねた。そして捕まえられそうになった。三谷は抵抗して逃げた。これが3か月間の出来事だ。その後、追手はこちらの世界にも来た。そいつらは偶然、星子の妄想力の強さに着目し星子をさらう計画を立てた。それが本日実行され、学校が丸ごと消えてしまったのだと。
「私は悪くない」
「確かに、ゲップ如きでこんなに追いかけるのもキチガイだな」
「面目ない」
照れくさそうに頭をかく三谷だった。
「さあ、僕たちはその異世界人を排除しなければいけません。警察や自衛隊に任せれば解決に時間がかかり、星子ちゃんを守れない可能性があります」
「義一郎の言うとおりだ。私たちで対処する」
そう言って服を脱ぎだす美濃。
田中とトリニティはとっさに後ろを向くが三谷はジト目で見つめていた。
「三谷、見ても構わんが後で貴様の目玉をもらうぞ」
その一言でびくっと震え、後ろを向く三谷だった。
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