第19話 核心的事項
「三谷はね。教師なのに怪しい研究をしてるのよ。知ってた?」
「噂だけは」
「その内容が問題なのよ」
「知りません」
「そう。でも、それを欲しがっている連中がいる。そいつらは三谷とお前たちのつながりが深い事を知っている」
私たち三人は顔を見合わせる。
告白っぽいことをして逃げられた。これを深いつながりと言うのだろうか? 意味不明である。
「もう一つは星子ちゃんね。貴方は予言者だと推定されてるわ」
また一つ途方もない事を言った。
予言者だなんて馬鹿げている。星子は妄想癖があり、アニメのセリフを適当に喋っているだけなのだ。
「星子ちゃんがただの妄想娘だと思ってったの?」
私と羽里が頷く。
「打ち切りになったアニメのセリフ言ってただけじゃないの?」
そう。それは『機甲猟兵セミラミス』。過激なセリフとウインドウズの脆弱性を暗喩していると噂になった伝説のアニメ番組だった。
「違うのよ。星子ちゃんはね。打ち切りになって放映されていない第十話以降のセリフも話しているのよ。予告編にも登場してなかったセリフをね」
それはつまり、星子が公開されていない情報を妄想で引き出していると言う事か。
三人に見つめられる星子だったが、相変わらずぼんやりしていた。
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