自白
尾巻屋
僕はその日死んだ。
僕はその日死んだ。
他人に拒絶され、己を見失って。
思い返せばあっという間だった。人間が人間でなくなり、それまで存在していたはずの縁がばっさりと切り捨てられる。邪魔者のレッテルを貼られた僕に、寄る辺はなかった。
自暴自棄に走りたい自分と、それを止める自分。
最早失うものなどないはずなのに、これまで守ってきた約束事をきちんと守りたくて仕様のない、奥深くまで擦り込まれた良心という名の箍が食い込む。
万人に向けられた期待が両眼をえぐり、涙を涸らすから、こんな世界では泣くことも出来やしない。
死んだ。その日僕は。
自白 尾巻屋 @ruthless_novel
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