道中の話
「じゃあその銃は悪魔に対してのみ効くんですか?」
「うんそうだよ。この銃はーーー」
二人は道を歩く。
道中に悪魔が出てきたりしたが、全てフラによって一掃されている。
フラが持つ銀色に輝く銃ーー
その力は同じリボルバー式の銃の約二十倍。
それにフラの速度型魔法が加われば三倍以上にはなる。
とは言っても悪魔にはまだまだ耐えられる程度の威力で、さらにフラの付与魔法をかけて悪魔を倒す。
火と風のの付与魔法で、爆発を起こし、頭を破裂させる。これがフラの悪魔の倒し方だ。
「アインさんって魔法が使えるんですよね?……その……もしよかったら………魔法がどうやって使えるか教えてもらえませんか?」
「いいよ」
「そうですね、ダメですよねーーーっていいんですか!?」
簡単に言ったフラ。
「ゲルニアは信用できるから。ね?」
にっこりと笑う。
ゲルニアはその笑みに少し恥ずかしそうにしながら頰をかく。
「じゃ、魔法の使い方を教えるよ」
「は、はい!」
背筋を伸ばし敬礼するゲルニア。
「まず、魔法っていうのは魔術回路という道みたいなのが身体中に張り巡らされているのは知ってるね?」
「はい!」
人には皆、魔術回路というものがある。
「何でみんなが魔法が使えないかっていうとその魔術回路に異常が起きているんだ。で、その異常を治すには魔力を無理矢理魔術回路の中に入れて治さなきゃいけない」
全然わからない、という様子のゲルニア。
「えーと、水道の蛇口に石が詰まってしまったが一番近いかな……。あ、あとはトイレに紙が詰まって、それをポンプで取り除く感じ…かな」
「あーなるほど」
「早速やろうか」
フラがゲルニアの後ろに立ち、肩甲骨あたりに両手を置く。
フラはここででも、と付け足す。
「注意することが二つあるんだ。一つが、治すといってもただ異物を取り除くだけであって、すぐに魔法が使えるわけじゃないんだ。それに久しぶりに使うと思うから初めはゆっくりと練習すること。だから、治し終わったあとは魔術回路を慣らしたりしてから、練習してね。そしてもう一つが……」
フラはとてもいい笑顔になり話す。
その笑顔を感じ取ったゲルニアの背中に悪寒が走る。
「これ、治す時はとっても痛いんだ」
「ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
語尾にハートがつくように大変嬉しそうな様子でフラは魔力を出す。
フラは意外とSなのかもしれない。
この時、森では鳴り止まない男の悲鳴が続いたとさ。
フラは気づかない。
本来、魔術回路に異物は入らないことを。
その異物が人為的なものであったことを。
そしてフラは忘れていた。
軌跡の力は決して戦闘に直接関係するものばかりではないと。
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