第8話 偶然の出会い

「ふんふん~♪ 案外掃除って楽しいですねぇ~」

私はそんなことを考えながら自室で掃除をしています。レクトさんの部屋の掃除のついでにやっていたのですが中々達成感があります。といっても結局魔法ですが。


「ふう。 ・ ・ ・ 掃除もしましたしそろそろ寝ましょうか」

私は部屋の明かりを消してベッドに入りました。ただ、私はそこまで寝付きがいい訳ではないので寝るまで少し時間がかかります。


そうだ。下の会話でも盗み聞きしてみますか。

そうして私は聴力強化の魔法を使います。

・・・・・・。

おや。一階で母さんとレクトさんが密談していますねぇ。聞いてみますか~。






『エリスと結婚してくれよ』






 ・ ・ ・ ・ ・ ・。




 ・ ・ ・ ・ ・ ・。




 ・ ・ ・ ・ ・ ・。




「ななな!? 母さん何をいってるんですか!? 出会ってまだ一日もたってませんよ!?」

母さん正気ですか!? レクトさんがオーケーするわけないじゃないですかぁぁぁ!

 

・・・。今の自分の顔を見てみたいものです。絶対真っ赤ですよ。

うう・・・。明日どんな顔をしてレクトさんの所に行けばいいのでしょうか?・・・あーもー、母さん何てことを・・・。


私がベッドの上でうだうだと悶えていると階段を上がる音が聞こえてきます。この流れだとレクトさんですねわかります。


「私、気になります・・・」

今レクトさんがどんな表情をしているのか、私と結婚して欲しいなんて母さんに言われたのだから私みたいに悶えていてもおかしくないですよね。

「〈透過視線クリアゲイズ〉、〈透過聴覚クリアヒアリング〉」


この魔法は壁1枚を透視する程度なのであまり使いませんがこういう時こそ使い時です。壁1枚と言っても材質によりますが木造なら問題ないです。

隣の部屋ではレクトさんが机に座って本を読んでいました。意外に冷静ですね。

『ん~。なんでか知らないけど読めるんだよなぁ。こんな文字見たことねえよ・・・。 あ、英語だ。』


この辺りはアイクレルト語、もしくはエイ語が多く使われています。エイ語は昔からあるのでレクトさんが知っていてもおかしくないですね。

 「それにしても・・・」


レクトさん、腕の筋肉がいいですね。確か魔法や魔力が無いとか言っていたので生身の筋力がものを言うのでしょう。この世界では生身を鍛えるよりも魔法能力を鍛えた方がいいですが。やはり文化の違いですね。


「あの筋肉量からパンチの威力を推測すると・・・」

・・・。はっ! ダメですね。すぐにそっちの思考になってしまいます。にしても前の世界で筋力を相当鍛えたのでしょう。こちらでは筋力の差は魔法で補えますが元となる筋力が高ければ高いほど魔法強化の倍率は乗るので無駄ではないですね。


なんと言えばいいのでしょうか。

女性はああいった筋肉質の男性が好みと聞いた事があります。確かに見た目がかっこいいとか、強そうとかありますけど私からすると本当に強い人が好きです。ああいった見た目だけの筋肉ではなく。

もちろんレクトさんが強いのなら問題ないのですが今日の不良との戦いで大体の強さが測れてしまったので少々・・・。ね?



だから別にレクトさんの腕とか見つめているのはかっこいいとかではないですよ? ホントですよ?



・・・。こんな事久々に考えましたね。いつもは対アムネル戦のイメトレをしているはずなのですが。

一度思考をクリアにしましょう。


深呼吸、深呼吸。

すーはーすーはー

・・・・・・。

雑念を消し、私は私の心の底に潜っていく。

そこにはあの時の記憶があります。あの忌まわしい記憶、私の弱さの証が。



私はあの時大切な人を失いました。





父さんは私の力不足で死んでしまいました。





だから私が仇を討たなければいけないのです。





あの悪魔は私の手で討たなければ。





私が力を付けなければ。





絶対に討たなければ。





・・・・・・。





「と言っても再開は近そうですね。少し楽しみです」

私の推測が正しければ、ですが。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ん〜?

何故この世界で英語があるんだ?

英語は地球のヨーロッパ、イギリス発祥のはず。この世界にあるのはおかしいはずなのだ。

この部屋の本を読んでみると他にも少し気になる部分がある多数ある。


まずこの世界での英語は新生暦300年からあるらしい。そして今は新生暦1600年と書いてある。つまり英語は約1300年前から存在しており、すべて近代英語だ。近代英語は西暦1500年から使われており地球でも500年程しか使われていないから時系列的におかしくなるという点が1つ。


もう1つはこの世界の歴史上に日本の人物名が多数存在するのとその人物が現れた時間だ。

リンドウ コウタロウ、タカミヤ ラン。ましてやアマクサ シロウ、サカモト リョウマまで存在している。


アマクサ シロウこと天草四郎が現れたのは新生暦1549年。だがサカモト リョウマこと坂本龍馬が現れたのは新生暦459年だ。この時点でもうおかしい。


天草四郎が死んだのは1637年、坂本龍馬が死んだのは1867年。約200年の差があるのに現れたのは約1000年違い、更に地球では天草四郎の方が先に死んでいるのにこの世界で坂本龍馬の方が先に現れた。

偽名の可能性はあるがいずれにしろ同じだ。


更にこれらの人物達には圧倒的な能力を保有していたらしい。

リンドウは無限の魔力。タカミヤは大地を割り、地形をも変える力を。天草四郎は人々を先導するにふさわしいカリスマと指揮力、坂本龍馬は暗殺を駆使し蜥蜴人リザードマンの国を滅ぼしたとか。

他にも多数の日本人名が出てきているがどれも人外の能力を保有している。


つまりこれらの人物は俺と同じく転移してこちらの世界に来た可能性が高い。


そして天草四郎と坂本龍馬は元々強かったがリンドウとタカミヤという名前は聞いた事がない。ということはこの世界に来る過程で強大な能力を手に入れた、もしくはこの世界での適正が最初からあったという事だろう。


ここで問題なのは俺はどちらにも当てはまらないという事だ。

この世界へ迷い込んだ時に力を手に入れた様な感覚は無いし、街で計測した時は適正が無いと言われた。

しかし安易にそうとも言えない。


それは銃やPC、携帯電話等だ。

俺はこの世界に前の世界での持ち物を持ち込んである。そこが俺のこの世界でのアドバンテージであるという事なのだろう。


少し考えた事をまとめてみようか。

俺はPCのWordを開き、打ち込んでいく。



・この世界には英語が1300年前から存在する。

・過去にこの世界に来た人間は多数存在する。

・前の世界で死亡した年は転移する年に干渉しない。

・転移した人間にはそれぞれアドバンテージがある。

・それは俺が知っている中では3種類。


1この世界へ来る時に強大な力を与えられる。


2元々この世界での適正がある。


3元々持っていた武器や道具を持ち込める。


・・・・・・。


こんな所だろうか。まあこれ以上はもっと頭の良い奴が考える事だ。俺が考えてもそこまでいい考察が出来るわけないしな。

いや、正直1日でここまで情報が集まるのなら上出来ではないだろうか。

PCのバッテリーは39%。あまり多くはないので一旦閉じる。そして気になる本を探していく。

ちなみにPCに俺の名前に関する情報は何故か無かった。意図的に消されたような違和感は残っているが。

お? これなんかどうだ?

俺は2冊程本を棚から取り出す。



『誰でもわかる! 魔法基礎理論!』

『誰でも使える! 基礎魔法百選!』



ちょっと読んでみようかな。


ペラペラ。ペラペラ。



この2つを読んでいて朝飯まで一睡もしていないという事案が発生し、セクトルス親子に笑われる事となったのはこの時の俺は知らなかった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



朝食を取り、俺達は昨日と同じく馬車でエルフィムへと向かっている。

「レクトさん。ちゃんと寝ないとダメですよ」

「ああ、すまんな。」


と言っても基礎魔法の擬似睡眠魔法を使ったからかあまり眠くない。魔法って便利だな。

そんな事を考えているとエリスが顔を覗いてきた。近い。近い。・・・可愛いから別に嫌ではないけどさ。

「寝てないのに顔色がいい・・・? もしかして擬似睡眠魔法を使いましたか?」

「あ、ああ。本に書いてあったから使ってみたんだが」


エリスは呆れたようにため息をついた。

「いいですか? あの魔法は脳に無理矢理大量の魔力を流し込んで起こしているだけです。疲れは取れないし、健康に良くないです。あれは睡眠時の脳の活動を再現しているだけの欠陥魔法です。そもそも魔力エネルギーが発生していない時点で魔法では無いです」


けっこう注意されたな。今後使わないようにしよう。そう言えば・・・。

「魔力エネルギーか。昨日本を読んでみたけどよくわからなかったから教えてくれないか?」

こういう時のエリスは意気揚々と教えてくれる。


「魔力エネルギーは魔法使用時に発生する魔力の向き、強さです。例えば、〈電撃ライトニング〉!」

エリスは人のいない方向に手をかざし魔法を打つ。約直径5cmの電流が無人の野原を一直線に進み、30m程で虚空へと消える。


「この魔法は見ての通り雷を直線方向に打つという魔法です。この時体内から魔力で雷を構成しますのでその分魔力を持っていかれます」

まあそこは分かるよ。


「次に直線方向に放つという所で発生するのが『直線方向へ飛ばすための魔力』です。魔法は手で押すわけでも勝手に飛んで行くわけでは無いので魔力エネルギーで魔法を飛ばします。魔力エネルギーは魔法構成時の魔力を使うのでこれ以上魔力を使う事はないです」


・・・? つまり手で押す事が出来ないし、物理的に干渉出来ないから魔力を使って動かしているのか。

「もう1つ、魔法は重力に逆らう事は出来ないので直線方向に飛ばすにも上方向にも魔力エネルギーが必要になってきます。そして最後に必要なのは魔法の強さ、俗に言う速さです」


なんか学校みたいだなー。

ほとんど授業を投げ出したくなるような説明を聞きながらエリスの顔を伺う。

するとエリスはむすっとした表情をした。

「結構丁寧に説明しているのでちゃんと聞いて下さいよ。ここら辺は雑学になってきますが知っていて損はないです」


「以上が魔力エネルギーの説明です。これらをふまえた上で攻撃魔法の威力の公式があります。構成魔力を(定数x)とした時、『(定数x)×(使用魔力-魔法的ベクトル)×魔法強化倍率』です。この公式は摩擦が発生しない場合の公式で、摩擦がある場合は最大静止摩擦力の公式も加算されますので威力が少し弱くなりますが重力への抵抗に魔力エネルギーを使わなくていいというメリットがあります」


あぁぁぁ。頭痛てぇ。

「これは雑学ですよ。覚え無くてもいいです」

雑学ならこんなに時間取るなよ。

って、え?


全く不思議に思っていなかったがさっきからベクトルや最大静止摩擦力の公式、更には一応ここまでの物理的な法則が既に確立されているという。ガリレオが慣性の法則を唱えたのは1500年代。同じ年で発見されているとしても、1500年程の年しか経っていないのにここまで理論が確立している事になる。

いや不思議では無いが。まあこれらの法則は多分地球から持って来たものだろう。いや・・・。


重要な所はそこでは無い。これらの法則すべてが地球から持ち込まれた技術なら問題無いはずだ。対処法はある。この世界での技術ならエリスが知っているはずだ。だが・・・。




もし、もしもだ。




未知の文明。この世界でも地球でも無い所から転移してきた人がいるのだろうか。




有り得ない話じゃない。そうなったら対処法を知らない俺達は死ぬ。

どうする・・・? この世界は危険? まてまて・・・



「どうしました?」



エリスが心配そうにこちらを覗いてくる。

「・・・!? すまない。少し考え事をしていた」

この答えは今すぐ出てくる様なものでは無い。少ししまっておこう。


「いえいえ。こちらも邪魔して申し訳ないです。そろそろ着くので荷物を持ってください」

気が付くと既にエルフィムの門が見えていた。・・・。悩むなんて俺らしくないな。バカっぽくいればいいのに。


馬車は門を通り少年との約束場所に着く。ちなみに少年の名前はペテル・ホウレイト。ペテルでいいらしい。


馬を置いてペテルについていく。ペテルは細い裏路地を迷い無く進んでいく。途中衛兵が立っていたがそのままスルーしていく。

「この辺りって第七番街じゃないですか? ただの裏路地にしては整備が行き届いています」

「よくご存知ですね流石は雷閃の魔女です。ただ整備というよりは建物全てに魔法金属、魔法的物質を含んだ煉瓦などを使用しているため並大抵の攻撃では傷がつかないので。」

第七番街? 知らない単語だな。それに昨日よりペテルが落ち着いているのが気になる。


「この街は第一番街から第七番街まであってですね、番号が高ければ高いほど住んでいる人物の階級を表しています。昨日の図書館が第六番街。第七番街となると余程の大貴族か成金しか住めない所ですよ」

へー。つまり平民の俺が立ち入れる場所ではないということか。


そのまましばらく行くとこじんまりとした建物の前に着く。成金とは思えないような建物だな。

辺りは金の装飾や派手な形の建物が多いのに。

「ここです。いらっしゃいませ。中にはテーブルがございますのでそこで少しお休み頂ければと思います」

そういうことか。ペテルは今日1日は接客モードらしい。


「こんにちはー」

中に入るとやはり異世界の鍛冶屋。鍛造するための大きな釜。剣や斧、弓に鎧にポーションなど多種多様な物が展示してある。煉瓦造りをそのまま出しているのも個人的に好きだな。

「こちらコーヒーです。オーナーを呼んできますので少々お待ち下さい」


ステステと奥に入っていく。

「鎧や斧は私の趣味ではないですね〜。動きやすい方がいいので短剣とか欲しいです。そういえばレクトさん今日は荷物が多いですね。その鞄には何が入っているんですか?」


「これか? 今日は多分PCを使うから持ってきた」

まあ上手くいくかは分からんが。

「ぴーしー? 異世界の道具ですか。〈透過視線クリアゲイズ〉・・・。うわ、コードと歯車の数が尋常ではないですね。さぞ有名な錬成師や鍛冶師が長時間掛けて作ったのですね」


エリスは目をパチパチしながら驚いている。

「昔はそうだったのかも知れないが俺が生きている時代はこれは一家に1台は当たり前だぞ? これだって量産型だし」

「はー。こっちとは全然違いますね」


たしかに。こっちだと機械なんて魔力測定の時くらいしか見てないからな。


それからしばらくするとカウンターの奥からペテルと金髪の男が出てくる。

「いらっしゃい。 俺がこの店のオーナー。アディル・クロウズナイトだ。昨日はペテルを助けてくれてありがとな!」

金髪の男、アディルは意気揚々と話す。体格がよく、浅めのツーブロックと刈り上げで綺麗にきまっている。そして鍛冶師っぽい緑のエプロンは見るからにデキる男だ。

「レクトだ。よろしく」


そう言って俺達は握手する。それにしても。

「・・・・・・?」

なんだろう。妙な親近感と久々なこのノリはどこか懐かしい部分を刺激してくれた。

「・・・・・・ん?」

アディルも同じ様な表情をしている。なーんでだろう。


「いや、俺達はただ問題が起こったから事情を聞きたいという思いがあったから別に構わない」

「実際、レクトさんは何もしてませんしねー」

いや1人倒したぞ。

「なるほどなぁ。こっちの嬢ちゃんが四魔女バケモノの1人、エリス・セクトルスか」


「ふふふっ。化け物だなんて。仮にも1人の女性に向けて言う事では無いのでは?」

「そうだな。失敬失敬」

アディルはニタニタと笑っている。ここまではお膳立てだと言わんばかりに。

「あんたらはペテルを助けてくれた。だからその礼はもらって当然。今日はここにあるやつの中から好きなやつ持ってけよ。オーダーメイドでもいいぜ」


随分と気前がいいな。とはいえ貰える分は貰っておきたい。それにオーダーメイドも可能なら少しやって欲しい事がある。

俺はPCを開き画像ファイルからひとつの画像を見せる。

その画像は俺の自動拳銃、ベレッタ 92の銃弾の設計図だ。

「9×19mmパラべラム弾、40S&W弾、9×21mm IMI弾。このどれかで再現可能な物はあるか?」


それを聞いてアディルは考え込む様に黙る。さすがに銃弾の作成は難しいか?




「ノートPCに銃弾の作成・・・。なるほど。お前異世界から来たのか。」




そんなアディルの言葉に俺は瞬時にベレッタを抜く。少し危険な賭けだ。

「ほう。ベレッタ92か。イギリスのベレッタ社が作成した銃で米軍や様々な法執行機関でも人気が高い一品」

アディルは拳銃を向けられても物怖じせずにニタニタと笑う。


「よく知ってるな」

「ああ。俺は生前は軍人だったんでそこらぁ辺は詳しい。俗に言うミリオタだったしな」

生前・・・。つまり転移ではなく転生か。会話の内容からおそらく俺と同じくらいの時代からこっちに来たのだろう。

「拳銃やPCを持ってるってこたぁ俺みたいな転生じゃなくて転移か。・・・んん? あ! あああ!?」

アディルはベレッタを仕舞っている俺の顔を見て何かに気が付いたようだ。


「・・・? どうした?」

「レクト、PCの画像ファイルか携帯の写真で記念写真の様な物はないか?」

故郷の事が気になるのかな?

「あるけど?」

「見せてくれるか?」

俺はPCから画像ファイルを開く。初めてアメリカに行き自由の女神像の近くで撮った思い出の写真だ。

この写真はアメリカで初めて出来た友人と一緒に撮ったものだ。名前は思い出せないがこいつが居たから今の俺がある。


「・・・・・・。やっぱな。」

アディルは納得の表情だ。何故だろう。

「レクト、お前が死んだのは2001年の9月11日の同時多発テロだろ?」

なんで知ってんの?

「あ、ああ」

「で、俺が死んだのも同じ日だ。そして俺とレクトが死んだのは同じ場所だ」

「どうしてそう言いきれる?」

俺がそう言うとアディルは記念写真の俺ではない方に指を当てて言う。



「9月11日。あの時俺達は一緒に居た。こいつは俺の生前の姿、名前は思い出せないがお前と一緒に居たのは記憶にある。俺は19年間この世界で生きてきた。だからお前は違うかも知れないが言わせてくれ・・・、久しぶりだな。会いたかったぜ」



出会ってからの妙な親近感と久々な感じ。俺にも分かる。アディルは俺の親友だと。だからこいつに答えなければならない。

「久しぶりだな。また会えて嬉しいよ」

「これからもよろしくな! レクト!」

「こちらこそ。アディル」

俺達は改めて握手する。



この世界でどんな事が起ころうと、アディルとならやって行ける気がする。俺は心の底からそう思えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る