この素晴らしいハロウィンにお菓子を!-1

「カズマさんカズマさん。今日は何の日か知ってる?」

「アクア、お前っていつもその入り方しかできないのか。そりゃ今日は俺の日だろ」

「え、何言ってるか分からないんですけど」

「なんでわかんないんだよ! 天才の日なんだから俺の日に決まっているだろ! こんなに贅沢できてるのは誰のおかげか分かってるのか? 俺の知的財産とこの幸運がなかったら今の生活はないからな?」

「もういいわ、ハロウィンよ。トリックオアトリートよ! 早くお菓子出しなさいよ!」

「はあ? 仮装もしてない上にお前、こんなんでも女神なんだろ? あー違うか。駄女神だったな! お菓子ほしいならアクシズ教教会でも行っとけ! 俺はお前に一つもやらんからな? いいな!」

 

 やっぱり泣いた。俺としては泣くだろうと思いつつもいつも通り反論をしたのだから…。そろそろお菓子をあげようかと思ったところに。


「おいカズマ、またアクアを泣かしてるのか。アクアに対してもっと優しくしてやれないのか。そ、そんなに罵倒したいのなら、わ、私にい、言ってくれてもいいんだからな」

「で、アクアに今日はなんと言われて泣かしたのですか?」

「ちょっとお菓子を欲しがられただけだよ」

「いつもの事じゃないですか? そんなにお菓子を独り占めしたいのですか? するのなら私をしてくれればいいのに…」

「今日はハロウィンって言ってな…ん。今なんて?」

「そうでした! 今日はハロウィンでしたね。今年は仮装の準備するのを忘れていましたがどうしましょうか…」

「そうじゃなくてさっきの」

「なんか言いましたか?」

 

 めぐみんはそう一言不敵な笑みを浮かべ自分の部屋へと戻って行った。一人残されたカズマは特にお菓子を貰おうとも思わず、暖炉の前でゴロゴロしだす。気持ちよくなり瞼が落ち、意識が飛びそうになった時…


“ドンッ”

「は、ハロウィンとはエロい格好をして、ね、狙っている男を襲う日だとどこかで聞いたことある。隙を見せたな! はっはっは。つ、ついにカズマを…」

「た、たすけてえええええ!! 痴女に襲われるうううううう」

「お、おい。やめろ。もうお前に逃げる選択肢はないんだぞ。もう私の思うが…」

「おい、顏真っ赤になってるぞ。いいのか? 俺はやるならやるからな?」

「わ、私がしゅ、主導権を握っているのだぞ? もう少し、抑えられてる感じになれないのか…」

「だって、、」

「「…」」

「ダクネス! 何をしているのですか! まだ日が落ちていなのに私の男を襲うなんてけしからんのですよ。あと、エロい格好で襲うんじゃなくて仮装をしてお菓子を貰うのですよ? まあ、ダクネスはもう大人ですからトリックオアトリートなのです」

「今の私は何も持っていないぞ」

「じゃあ、そこの下に敷かれて実はちょっと喜んでいる男でいいので下さい。そうしないとアクアに頼んで昼間から男を襲っていたと噂を広めてもらいますよ」

「そ、それは困る。しょうがない。三人でお菓子を貰いに行くのならいいぞ」

「それで妥協しましょう。アクアを見つけないと嫌な予感もしますし出かけましょう。カズマ? きっとあなたは何も仮装の準備などしていないと思うのでいいものをお貸ししますよ…」


  続く…?


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