このぼっちにお祝いを! A

二月二十九日。それはゆんゆんの誕生日なのですが友達のいない彼女は誰にも祝ってもらっているところを見たことがない。だから、今年くらいは私が祝ってあげようかな。と思っているのです。しかし、こうも恥ずかしいものなのですね。祝うということは。


「おい、めぐみん。今日はアクアとダクネスとちょっと出かけてくるけど一緒に行くか?」

「三人でなんて珍しいですね。今日は私も用事があるので出かけてきていいですよ」

「お、そうか。じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃい!!」


 と、送り出したがみんなと行った方がよかったでしょうか…。まあ、一人でもいれば彼女からしたら十分ですね。では、プレゼントを買って彼女のところに行くとしますか。


 何を買えばいいのでしょうか。彼女は何でも喜んでくれるでしょうか。心配ですね。前にたしか、一緒にタガーを一緒に見て、買っただけで喜んでましたね。ってなんでゆんゆんのためにこんなにも悩んでしまっているのでしょうか。もうこれにしましょう。


「これくださいっ!!」

「おお、お嬢ちゃんお目が高いね。これは、、」

「お! カズマのところの爆裂娘じゃねーか! こんなところでなにかってんだよ~。ってそんなブレスレット買って誰にあげるんだよぉ。まさか、俺か? 嬉しいんだがな、やっぱりもっといい奴はいると思う。だから今回は…」

「お店のおじさんとの会話を邪魔してきたうえで告白もしてないのに振らないでください。ってか別に誰でもいいじゃないですか」

「カズマか? いや、ここはぼっち娘だな!」

「そ、そんなことはないですよ」

「図星なんだな。でもあいにくだったな。あいつは今、紅魔の里に帰ってるぞ」

「ほ、本当ですか!? それは困りましたね…。教えてくれてありがとうございます」


 困ってしまった。テレポートの使えない私としては簡単に里へは帰れませんし、、。そうだ、ウィズに頼んでテレポートで送ってもらうことにしましょう。そうすれば行けるでしょう。


「すまんな、うちの店主は消えかけていて魔法は使えないのだ。使いたいなら日を改めるのだな」

「ってか、まだ私何も聞いていないのですが…」

「しかし、焦る出ない。今から家に帰って待つが吉と出た」

「そうなのですか。じゃあ、信じてみるとします」


 何時間待っただろうか。ゆんゆんどころかカズマ達さえも帰ってこない。

 今日は二月二十八日ですし、二十九日がない人は三十日にお祝いするのも大丈夫だそうですし、焦ることはないですよね。


「おい、めぐみん。玄関で何してるんだ?」

「カズマですか。どこに行っていたのですか?」

「ちょっと紅魔の里にゆんゆんの付き添いにみんなで行ってたんだよ」

「めぐみんじゃないの! なんで今日来てくれなかったの?」

「ちょっと用事があったので」

「めぐみんらしくないわね…って叩かないで! 唯一差がついてしまった胸をたたくのはやめて!」

「今日はあなたのためにわざわざ一日開けておいたのですよ? なのに何を里に帰っているのですか」

「た、たんじょうび? 私の誕生日を祝ってくれる人なんていないから里に帰れば一人くらいいるかなぁって…」

「私を忘れていたというのですか。私とあなたはライバル。しかし、誕生日くらいは祝ってあげるのです。ほら、これをあげますよ」

「うわぁぁぁ!! このブレスレット可愛い! ほ、本当にもらってもいいの?」

「しつこいですねぇ。あげると言っているの素直にもらうのです」

「だ、大事にするわね!! ってめぐみんも同じの持っているのね」


 この後、誕生日と知ったカズマ達とお祝いをした。


 

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