第14話 祖先

38 K-1

>>36さん

心配してくださってありがとうございます。

彼女だけは守り抜くつもりで、いろいろやってきました。

それに今は専門家がついてくださっているので、とだけ。


>>37

>リーダー他の名前

名札とかもなかったし、

俺たちのほうからも聞くことはなかったです。

ただ、タブレット迷彩が通信で「サギノ」と呼ばれていて、

そいつが逆に相手を「ワシノ」と呼んでいたのと、

同じ通信相手が別の人を「ハトノ」と呼んでいたので

そういう偽名が付いてて、

尋ねてもそれしか教えてくれなかったんじゃないかと思います。



図書室で、その家のご主人だという真っ白なお爺さんが、

リーダーに分厚い本を手渡した。

両方とも白い手袋をしていて、俺もしている。


リーダーが本を見せながら、いろいろ教えてくれた。


まず先に、例の疑問のことだ。

「お前は若いからな」

とリーダーは笑っていた。

あの時の儀式の中に、

子づくり的な過程とそれにまつわる呪いがあって、

あの場にいた女性が期間中に妊娠すると

儀式の関係で出来た子なのかそうでないのか

生まれるまで区別出来ないからだという。


例のタブレットで、その「儀式の子」というものを見せてもらった。

吐いたりとかはしなかったが、心臓がぎゅっとした。

ゲームとかの三頭身チビキャラみたいな、変なバランスの身体。

胎児みたいなでかい頭。

大人よりでかい顔に

棒で書いたような目、

点しかない鼻、

そして縦棒一本の、開いてるのか閉じてるのか分からない口。

肌の色はコンクリの像みたいな灰色だった。


一緒に映っている人間の大きさからして、

どうやっても普通に生まれてこれる気がしない。

そしてやっぱり

「これを生んだ女性は例外を除いて確実に死ぬ」


リーダーは続けた。

「その例外が久知野の最初の先祖だ」

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