第9話 待機

21 K-1

その時俺たちは家庭科室にいた。

上の階に理科室があって、

本当はそこへ移動したかったが、

文化祭で使っていたところだったせいか

ずっと明かりがついていた。


もちろんカーテンとかで何も見えないから、

まだ人が残ってるかとかは分からない。

迷彩の人が見に行ってくれるので連絡を待つ。

タブレット迷彩があせってるらしく歯ぎしりする。

それが妙にウザく感じたのを覚えている。


その間に、リーダーのスマホに着信があった。

応答してから、リーダーは

「この中に「カノウ」とか「カノ」とか「カレノ」という人はいるか」

と聞いた。

俺の苗字が加野だと言うと、

リーダーが俺の制服をまじまじ見てため息をついた。


念のために聞く、と前置きがあって

「お前、女子じゃないな?」

とリーダーが俺に聞いた。もちろん違う。

一人離れさせられ、下を脱いでリーダーに見せる羽目になった。

これもあとで意味が解るからちょっと待ってね。



理科室にはゾンビがいたらしい。

小説とかによくある、化学薬品でどっかんができなくて

リーダーたちは残念がっていた。

俺も残念だった。

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