第40話 初めてのダンジョン


ダンジョンに来ている。


同行者はいない。


ここはパスロの森の未踏破領域にある。


称号にパスロの森の支配者になっていることで、森全体の把握がし易くなった。


この森にもいくつかのダンジョンがあるのが確認できた。


鉄道を走らせる地下トンネルは地下ダンジョンの近くには通さないようにしている。


地下ダンジョンに近づけるときは高架にして防御の覆いを被せることになっている。



この地下ダンジョンまでは移動魔法の飛行で来ることができた。


あまり能力は変わっていないのかと思っていたが私も徐々にスキルの幅が広がっているようだ。


まだ誰も入ったことのない地下ダンジョンだけどそれほど深くはないようだ。


空間把握でその程度までわかった。


パスロシステム君に詳しく尋ねる手もあるけどそれでは面白くない。


危険度だけは教えてもらったら、中級だという。


ダンジョンの入り口に入り、空間把握を行う。


ダンジョンは24階層だとわかった。


ダンジョン内でも転移はできた。


各種魔法も正常に使える。


1階層はスライムだけだった。


ここのスライムは外のとは違って攻撃をしてくる。


酸攻撃と粘着弾攻撃だった。


遠方から風の刃で体内にある核を切ると光を纏って消えた。


そこには魔石が落ちていた。


魔石は元々はスライム内にはなかった。


ダンジョンのスライムが魔力でできていて、核が破壊されたところでその魔力によって魔石ができるらしい。


他の魔物も同様で体内には心臓とか内臓とか脳がないようだ。



ここのスライムでは魔石以外にも時々寒天末の入った小さな木箱も出てきた。


ダンジョンについて教えたもらった時にもそういう説明があったな。



「ゲームみたいだな。まあアリスがやったんだな」



さくさくとスライムを倒しながら進んでいく。


少し離れた所にある魔石とドロップアイテムは引き寄せ魔法で回収していく。


こういう時はすごく便利な魔法だ。


20m以内と近ければ収納と念じればすぐに回収できるがそれ以上離れているときには引き寄せ魔法を使う。


1階層は洞窟内の一本道だった。


もちろん直線ではなく途中に広間があったりした。


そしてついにボス部屋まで到着した。


ここまでの距離が6kmか。


かかった時間は10分だった。


探索能力と空間把握と並行並列思考でマッピングして地図を作っておいた。


ボス部屋には扉がついている。


中で戦闘が行われていると開かないらしい。


ボス部屋の先の扉は中のボスを倒すと開けることができる。


その扉の先に2階層に降りていく階段がある。



扉を開けてボス部屋へ入る。


階層ボスはキングスライムだと鑑定できた。


ナイトスライムが8体とジェネラルスライムが2体もいた。


今までのスライムを狩るのに使った風の刃でナイトスライムは倒せたが、ジェネラルスライムは倒れなかった。


風の刃を倍の大きさと強さにしたら簡単に倒せた。


キングスライムも同じ風の刃を2つ使って倒すことができた。



ボスを倒すと宝箱が出てきた。


その中に今倒したスライムの魔石が入っていた。


そして銀のインゴットが入っていた。


中身だけを回収すると宝箱は消えた。



ボス部屋の奥の扉を開けて階段の前にたどり着いた。


これで1階層をクリアだ。


さあ、2階層へ行こう。

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