第6話 課せられた制限と旅立ち


様々な訓練を神様と行うのと並行してパスロへ向かうための準備も行った。


パスロに着いたらすぐにアクレア帝国とコンタクトを取り、500名以上の日本人を収容してこなくてはいけない。


彼女らを守りながら任務を遂行しなくてはいけない。


結構大変だな。



アクレア帝国の神殿には神の代理人が迎えに行くと神託が降ろされたという。


迎えに行くにはその後に収容する施設が必要だ。


そして迎えに行くための交通手段も必要になる。


さあどうする。


神様は任せろと言っていたが・・・・。



    *     *     *



神様に案内されたところには町があった。


日本の町があり、そして人も活動している。


見た目では・・・・・。


あれはロボットですか?



「オートマタと呼んであげて欲しいな。よくできているだろ」


「凄いですね。人間と見分けがつきません」


「そうだろう。街並みはどうかな」


「私が住んでいた町に似ていますね」


「君がよく使っていた店を中心に複製したんだよ。」



街の広さは5km四方。


この中にはショッピングセンター5か所、コンビニ12店、アウトレットモール、ドラッグストアー2、ディスカウントショップ3、食品スーパー3、ファーストフード店8、ファミレス5、各種飲食店28、カフェ8か所。


各種飲食店にはとんかつ・和食・シーフード・イタリアン・中華・卵料理専門店・焼き肉店・うどん屋・蕎麦屋・カレー屋・とろろ芋・牡蛎料理専門店・天丼専門店・海鮮丼専門店・ピザ屋・洋食屋・おでん屋・鰻屋・ラーメン屋・焼き鳥専門店。


ショッピングセンターに食品スーパー・洋菓子屋・和菓子屋・パン屋・衣料品専門店・100円ショップ・家電量販店・カフェ・レストラン・フードコート・自転車屋・シネマ・書店などがある。 


2つの都市公園と2つの自然公園と遊園地とスポーツ公園。


自然公園にはハイキングコースもある。


図書館や神社やお寺もアスレチックスと植物園と水族館とスポーツセンター。


美術館と博物館と学校とホールと総合病院。


畑と果樹園と牧場と水田と養鱒場。


各種工場と研究所。


池と川と湖と森林。


そして日帰り温泉施設と温泉旅館2つ。


街の各所は地下鉄で結ばれ、住宅も含めてどの建物にも地下鉄の駅から地下道が繋がっている。


嵐が来ても雨に濡れずに建物に入れる。


地表にあるのは遊歩道と自転車道。


地下にも自転車道と遊歩道があるのだが。


住宅は一戸建て5LDKの550戸と6階建て5LDK120戸が入っているマンションが6棟。


12畳洋室・10畳洋室・8畳洋室・6畳洋室・8畳和室・24畳リビング・8畳ダイニング・6畳キッチン・トイレ2つ・風呂は広く・納戸もある。


各住居はオール電化、冷暖房完備・床暖房。


インターネットは検索のみ。


街だけでスマホも使える。



「食品も含めて商品はどのように供給するのですか?」


「複製元の町にあった物を人間や動物以外はすべて複製してきたよ。これからも消費された分は次の火には複製されているよ。食品は原則時間経過のない収納に入れている。畑や牧場や水田での生産が軌道に乗ればそちらからも様々な商品が供給できる」


「電気はどうしているの?」


「各戸に空気中の魔力や太陽光から電気を作るシステムを設置してある」


「ごみは?」


「各戸で魔法で分解してしまう。無害だよ。排水も同様さ」


「上水道は?」


「各戸で魔法を使って水を創っているよ」


「銀行もあるようだけど」


「彼女らにも少しは働いてもらい、それで得たお金で買い物をしてもらう予定だ。あまりものんびり過ごしたら地球に帰ってからが大変になるからね。住居費と光熱費と医療費は無料。初めの2ケ月は1日1食の食材と4人家族が余裕を持って生活できる生活費を支給する」


「この町をどのように設置するんですか?転移ですか?」


「転移だけど受け入れる場所の用意も必要だよ。タカシ君にはゴーレムとオートマタを使って場所の確保をしてもらいたい。地図データはゴーレムにも転送してあるよ。魔道具を設置すればその場所に町が転移で設置できる」


「了解しました。では迎えに行くときに移動するための交通手段ですね。人数も多いから大変ですよ。大型バスで10台は必要だね。道も作らないといけない」


「バスを2台用意したよ」


「ピストン輸送では大変だよ」


「いいえ。バスの中に転移門を設置してあるのでそれを使う。バス自体も転移で車庫からアクレア帝国帝都の門の近くに行けるよ」


「わかりました。ありがとうございます」


「タカシ君の各種装備も準備したあるよ。護衛兼秘書用オートマタ2体や警護用オートマタやゴーレムも準備できている」


「ありがとうございます」


「ところでタカシ君にはかなり強大な力を与えたよね」


「はい」


「この意味は分かるかな」


「相手を傷つけずに無力化するということでしょうか」


「相手は人類。地球からの転移者もパスロの住民もということだが。特に人間を殺さないように配慮してもらいたい」


「わかりました」


「自然の破壊もそこそこに」


「了解しました」


「そしてもう一つ。睡眠以外の精神魔法は使わないようにしてもらいたい」


「・・・はい。その点も了解しました」


「制限をつけて申し訳なく思うが事情があるので了承してもらいたい。今日は休んで明日の朝、パスロへ出発してもらいたい」

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