第18話 ハッピークリスマス


 俺は皆から離れ、その後山の手の街をどこに行くあてもなく、

トボトボと歩いた。


 立ち止まれば大声で泣いてしまいそうだった。



          ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


    

 私は涙を拭き不幸ぶる女にはならないと決めた。


 即日石橋さんに

『お話したいことがあるのでお時間いただけませんか?』

とお願いした。


 昔から決心した後の行動は早い。


 石橋さんに対して何か問題があってお断りしたのではなかった

こと、海という恋人がいた為であったこと、前にも話したことで

重複していたけれど今の真剣な気持ちを伝えたくて丁寧に説明した。


 今の海には私との結婚は重荷でしかないこと。


 でも私自身今結婚に向かっていきたいこと。


 こんな身勝手な自分だが結婚前提の話をもういちど再考して

もらえないだろうかということを自分なりの精一杯でお話した。


 彼はずっと一通り私が話すのをだまって聞いてくれた。



 そして……

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