第17話 ハッピークリスマス


 絢ね、海のこと恨んでないって。

 そう言ってた。


 ただね、幼友達に近いような年齢からいつも一緒にいた海とは

別の道を行くなんて思ってなかったから少し寂しくもあるって。


 海とのたくさんの思い出は大切にしたいって!


 でもさぁ、あんたのナイスタイミングの登場にホントッ

私はある種感動さえ覚えたわ。 


 絢の気持ちが全部わかるわけじゃないけど、きっとあんたと

女の子のツーショット見て絢は最後の心残りのカケラを

手放せたと思うよ?


 あんたに振られたとはいえ、隠してコトを進めて結婚したんだからさ

多少あんたへの後ろめたさはあったんじゃないかな。


 海、あんた本当Good Jobだよ」



 「なんだよっ、ソレっ。

 大隈はただの同期だし」


 「ハハッ あくまでもわたしの推論だけどね。

 あっもうこんな時間、わたしこれで帰るね」



 渡部から聞かされて初めて知った絢の気持ち。


 俺はとても切ない気持ちになった。


 失ってみてはじめて知った大切な存在。

 これは傲慢だった自分への罰なのか。



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