0日目 ―サドンデス
0日目(1)―現世と黄泉の間
……核?
だとしたら、いったいどこの国の仕業だ?
すでにあの独裁国家は、6年も前に革命で民主化したはずじゃないか!
いずれにしろ、核だとしたら東京はもう……。
少子高齢化による国力の低下が国防の衰退を招き、ついに取り返しのつかないことになった。
もう少し早く、10年、いや20年! 20年早く、改革がなされていたら……。
ん? ちょっと待て。
なにか……おかしくないか?
俺自身は今、どうなってるんだ?
あの爆撃を受け……まさか無傷、だったのか?
でも、なにも見えない。
そもそも、体の感覚がまったくない。
じゃあ、今、思考してる俺はいったい……。
いや、そんな、まさか――
『――あぁ、そのまさかだよ』
だ、誰だ!
なんだ……今、頭に直接話しかけられたような……。
『その表現は、正確じゃねえなぁ。アンタの物理的な脳は、ついさっき、きれいサッパリ蒸発したんだから』
蒸、発?
『あぁ、核の熱線でな』
核? やっぱり核だったのか!
『あぁ、核だよ』
ん? じゃあ、俺はどうして生きてる!
『だから、死んだんだって』
……死んだ?
『あぁ、死んだというより蒸発したの方が正しいかなぁ。今、地球上に、おまえの物理的な欠片は1ミクロンも存在しない』
じゃあ、今の俺はどこに?
『わかってんだろ? おまえが最初に想像したことが正解だよ』
まさか……あの世、なのか?
『惜しいなぁ。正確には、あの世とこの世の間だ。なぁ、おまえ、ある意味ツイてんだぞ?』
ツイてるわけないだろ! 死んだんだろ!!
『おいおい、総理にまでなった男が結論を急ぐな』
なっ……そもそも、お前は誰だ! まさか……死神?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます