第2話出会い
俺は沙織と中等部の正門で別れてすぐに自分のクラスへ向かった。
クラスでは今日もリア充たちが昨日のテレビの話題や駅前のカフェの新メニューの話などで盛り上がっていた。
「なんでそういつも飽きないかな〜」
そう心の中で呆れながら自分の席に着いて俺は机に突っ伏した。
こうしていつも通り授業を受け、一人で飯を食べて、授業を受けた。
そして、放課後先生に呼ばれて俺は職員室に向かった。
「まさか呼び出しってただの日誌かよ。そんなんでいちいち呼び出すなよ。」
ブツブツと文句を言いながら俺はクラスへと自分のバックを取りに行った。放課後の教室には誰もいないんだろうと思いながらも誰かと鉢合わせになって話す事になったらどうしようかという期待を持ちつつ教室へと足を運んだ。
教室の前まで行くとドアを少しあけ、中をちらっと見るとそこには一人の生徒がいた。
「えっ、もしかして本当に鉢合わせ!?
ちょっとドキドキするな。でもあれって・・・」
よく見ると教室の中にいるのは堤下真琴だった。堤下真琴は堤下財閥のお嬢様である。
堤下はお嬢様でありながら誰にでも分け隔てなく振る舞う超絶美少女でいつも取り巻きがいると思っていたのだが、現在教室にいるのは堤下1人だった。
「あいつ何やってるんだろ。」
興味本位で堤下が何をしているのかを少し見ていた。
「やっぱり、こういうのは誰もいない教室じゃないと出来ないわよね。家では親もいるし、友達とかもいて朝と昼は無理だから放課後のこの時間しか味わえない貴重な時間だわ。」
堤下は何を一人で喋ってるんだ?そう思いながらも堤下の姿を見守った。
すると、堤下はバックからパソコンをカタカタと打ち始めた。
「なんだパソコンかよ、ちょっと意外なものが見れるか期待してたのに。いやでも、お嬢様がこんな夕方に一人でパソコンは謎だな。」
と言いつつドアの前で推理モードに入り、勝手に都合よく推理していた。
すると俺の右腕がドアに当たってしまいドアはガタッと音を立てた。
「だ、誰かいるのですか!?」
「やっべぇー、バレた。事情を話してわかってもらうしかないな。」
と言うと俺は素直にドアを開け、教室へと入ったのであった。
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