ぼっちの俺に彼女なんてできない
ちりぽんぬ
第1話何気ない朝
俺はリア充が大っ嫌いだ。いつも沢山の友達と一緒にウェイウェイ言ってるアイツらの気が知れん。
あいつらは何かある度に友達だ~などと言って集団で行動しやがる。
別に俺が友達が全くいないから言っているわけではないと一応言っておこう。そう言うことを考えながら家を出た。
と、さっきから一人で頭の中で誰に言うでもないリア充批判を語っている俺の名前は佐々木悠馬。
この年から私立大津学園高等学校に入学した。とは言っても中等部からのエスカレーターなのだが・・・
入学して三ヶ月目なのにぼっちなのには、まー察してほしいものだ。
「あー今日もリア充どもと会わなきゃ行かんのは気が重いぜ」
と言いながら俺は少し眠たそうに大きいなあくびをかましながら学校へと向かっていた。
「ちょっと~、お兄ちゃん先に行くなんて酷い!少しくらい沙織を待っててくれてもいいんじゃないかな?」
「お前が遅いだけだ。しかもお前は俺と違って友達も沢山いるんだし、俺と学校に行く必要ないだろ。ほらさっさと行った行った。」
「またそんな皮肉を言う。沙織はお兄ちゃんと登校したいだけなの、別にいいでしょ?」
「はいはい。勝手にどうぞ。」
と、後ろから俺を追いかけてきて不満を言ってるのは妹の沙織。二つ下の妹で私立大津学園中等部の2年生。
沙織は、成績優秀、スポーツ万能、そして兄である俺が言うのもなんだが結構可愛い。しかもなんでも出来るスーパー妹ときた。
しかし沙織は友達多いくせに友達とは登校せず、登校の時はいつも俺に着いてくる。
全く訳が分からん。
「そう言えば兄ちゃん、高校生活は今のところどうなの?」
「ふん、聞いて驚くなよ。おれはなんと!・・・」
と俺が言いかかった所で、
「あー待って、言いたいことは分かった。
またボッチなんでしょ?」
と、まるで俺が言いたい事は見透かしたように冷めてた目で躊躇なく言った。
「う、最後まで言わせろよな。せっかく少しは友達できたのかなって期待させて答えを言おうとしたのに。しかも、またってなんだよまたって。」
「別にどう言おうとぼっちじゃん。なんで友達作んないの?友達いた方が楽しいじゃん。」
こいつはなんでさも友達はいて当然とでもいうような口調で質問してくるんだ…
「おいおい、今更お兄ちゃんにそんな事聞くのか?俺は好きでボッチなんだ!」
「ふーん。でも、そんな事言っても本当は寂しいんでしょ?」
「全然寂しくないし。と言うか、もうこの話は終わりだ!」
と俺は沙織からの質問を逃げるよう答えた。
そして中等部の正門まで来たところで
「じゃあ、沙織はここで。今日こそはお兄ちゃんも友達作んなよ!」
「余計なお世話だ。さっさと行きやがれ。」
「いってきまーす。」
と言って沙織と正門で別れた。沙織が下駄箱に行くまで見ていると正門を入ってほんの僅かのうちに沙織の周りには何人もの友達と言われる存在がわらわらと集まり沙織の姿が見えなくなったので俺は溜息をつきながら高等部の正門へと向かった。
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