第5話

今、僕はブランコを漕いでいる。

騒がしい昼休みの校庭。

いつもなら僕もダイキ君たちとあの中で遊んでいる。でも、今日はそんな気になれなかった。

ブランコを漕ぐと景色も一緒にゆらゆら揺れる。


僕は、、桃子を見ていた。

桃子にひどいことを言ったのはわかっている。でも、桃子だって僕に対してひどかった。僕は悪くない。僕は正義なんだ。僕はいい子だ。いい子で、正義でいなくちゃいけないんだ。

だから、桃子が悪い。


それなのに、いつもより少ししゅんとしたようなおさげの後ろ姿を見て、僕はなんだか悪いことをしたような気がしていた。

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