ハヤカワSFコンテスト最終選考に残ったよーい!!
今、大学の試験会場の自習室でこれを書いている。なぜ?
でも人は試験勉強をするべき時に、部屋の片付けをするように組み込まれている機械なので仕方がないのだ。
まだぞろこれは手で書いた日記を書き写す方式なのですが、試験の試の右側と、機械の械の右側の書き順が合っているのか、そもそも械に至ってはこんな字があるだろうかといったおもむき。(これは直筆じゃないと伝わらない話だった)
先日、自分が今まで「迎」という字をずっと間違えていたことを大学の教授のレポートの添削で知り、私が時計だったら逆走してるぜ、と思うくらいにびっくりしたということがありました。卵の点がないやつだとずっと思っていた。誰も教えてくれなかった。
でも、よく考えたら他人に「もしもし、その字は間違っていますよ」とはなかなか言わないかもしれない。私はいつも「皆んな」と書いている人? 文字? を見るとぞっ、とするのだけれど(なんだか文字化けを見た時の気分)それは送り仮名が違いますよ、とはわざわざ言わない。えっ、違いますよね!? もしかしてそういう向きもあるのか皆んなと書くときもあるのか?というかハヤカワSFコンテスト最終まで行きました!!!
そう、その話であった。
【今帰って調べましたがそもそも皆と書いて「みんな」も間違いだということをインターネットが言っていました。そんなことはしらず、勝手に、ぞっ、っとなって申し訳なかった。でもこれはもはや暑いとか寒いとかと同じ感覚になっているので、これからも私は「皆んな」に、ぞっ、っとなって生きていくしかないのだと思います。皆んな】
つい先日に一次通ったよやっほー! の日記を出したのにもう最終だった。もしかして本当はみんなこれくらいのスピード感で選考というものは行われているのかもしれない。この20年間、さすがに今回は2000万取ったわ!などと(水嶋ヒロが取りました)浮かれて公募の結果を待っていた時間はすべて無駄だったのかもしれない。私にはわからない。なぜなら、生まれてはじめて最終に残ったから!
よくよく考えてみると、今まで一次を通った時というのはだいたい二次はだめでしたとか、三次はだめでしたとかいう情報が一緒に訪れていた。というか、ただしく数えてみようと努力して数えてみたけれど、私が選考に通ったのって、15年くらい前のポプラ一次に通ったのと、数年前の文學界新人賞の二次を通ったのと、そしてこのハヤカワSF大賞だけなのである。20年だぜ!? 震えるよな。
日本語がちゃんとしてれば一次は通るなんてのは都市伝説ですからね!!!
いや、今、私の書いているこの日本語がちゃんとしていない場合は、その限りではありませんが。ちゃんとして、いる、つもりなので、あの、全然、一次なんて滅多に通りませんですから。
私はかつて2ちゃんねらーだったので(それも20年以上前なのか!? ひえ)最終に残ったら電話がくるという都市伝説を信じていました。というか今では普通にそういった情報は気軽にネットに体験談として落ちてますが。
その日は、バイト先のトイレに座って絶対に忘れちゃいけないことなのでスマホのメモに「色彩検定」とメモしようと思っていたことをもう何ヶ月も忘れております、今だ! とスマホを開いたところ着信がありました。ふえ、と思っているとすでに留守電になっている。
私は半裸の状態で何かおそろしいことが起きたのでは!? と震えたわけであります。番号が東京っぽかったし、借金とか(してないけど)振込忘れとか、なんか誰かが事故とか、そんなやつだと思った。電話はこわいときしかかかってこないので。
それでひーん! と思いながら留守電を再生したら「早川書房」と聞こえた。で、私は書店でバイトをしているので脳がバグって、もしかして自分のスマホじゃなくて職場のピッチの留守電を再生しているのか!? と混乱した。でも形状が違いすぎるので自分のスマホで間違いなかった。
留守電の音を小さくしていたので全然そのあとが聞こえず、でもトイレの中なのであまり音を大きくできず、ものすごく体を小さくしながらまるまって電話の音を聞いた。ハヤカワSFコンテストうんにゃら、と聞こえた。そこに至ってようやく私は気がついた。
2ちゃんねるでみたやつだ!!!
そしてもう100万円をもらった気になった。留守電にはそのようなことは吹き込まれていなかったが、ともかく100万円だろうと思ったのでパンツを履いた。
ここまで書いて私はまた色彩検定のことをメモするのを忘れたのを思い出しました。といいますのも、この5年くらいの間、バイト先の色彩検定の締め切りを1度しか守れたことがなく、締切は年に2回あるので少なくとも9回は店長に「あの、色彩検定の締切が、過ぎていてね」と悲しい思いをさせているのである。
この世のすべてのカレンダーに記入しているつもりだが、そもそも今日が何日なのか覚えていないし、カレンダーを見るという文化が体の中にないので、忘れてしまうのであった。でももう、忘れるわけにはいかない、とこれももう10回以上やっているのだけれど、忘れる。忘れたくない。なのであらゆるアラームをかけることにしたのだ。
ところで、今、サイゼリアに来ました。
試験と試験の間がかなり空いているので。そして、横に来た夫婦が、ここも質が悪くなった、などと接客について延々苦言を呈しており「昔はもっとよかったのに」と、とても憤慨しており、ほうれん草でワインを嗜んでおり、あのあのあの、となった。無茶をいうなよ。全員バイトだぜ。
で、早川さんの電話にその日は折り返しましたが遅番なので当然繋がらず、まぁでも100万円の件だろう、などと思いながら右の口の端をくいっと上に向けて、ほくそ笑みながらおふとんに入りました。
こんな感じか!? と今になると思う。もう私は「最終選考に選ばれました!」という連絡がくる想像というか、白昼夢を3日に1回は見るような体なんですよ。で、これは白昼夢なので、想像しようと思ってしているわけではなく、ごく自然に自転車をただ濃いでいるときとかに、映像として勝手に流れているのです。最終選考に残りました、受賞しました、2000万円ゲットです(実際には水嶋ヒロが取りました)爆売れで重版につぐ重版です、芥川賞直木賞ダブル受賞です、そして大きな家を立ててたくさんの動物たちを幸せにくらしましたとさ。おわり。
次の日に折り返したのですが、担当の方がいらっしゃらず、折り返してくださるということで、いつも私はスマホは突然の音にびっくりして頭を打ってしぬ可能性が十分にあるので、まったく音がならないようにしておりまして、折り返しの電話にでられるように、ごねつきまくりました。
そんなことをしていて、すこし時間がすぎて、なんでかそのことをすっかり忘れて、遅番でしたのでお風呂に入りました。そうして出た時にちょうど電話がかかってきて、音にあまりにびっくりして本当に死ぬところだった、全裸だけど!? と思いながら急いで電話に出ました。
最終選考に残ったよ、おめでとう! という電話でした。某月某日に選考があるからよろしくね! と伝えられ、はわはわしているうちに電話は終わり、裸ん坊だな、と思って服を着ました。
こんなもんか!?
いや、もちろん嬉しいというか、もう100万円をもらった気持ちですので、すごく嬉しい気持ち、とてもありがたい気持ち、あとなんだろう、さすがに100万円だろうという気持ち? などがあり。
思ってたのとちがう! と強く感じたのでした。
私は多分、最終選考に残ったなどという電話が来たら、ぽろりと流れる涙を止めることはできず、その涙を拭いながら「やっと、やっと……」みたいな大ゴマの、なんなら見開きのいい表情で言うやつをやって、そのあとも、長かった、これまで、長かった、みたいな情熱大陸がはじまる予定だったのですが。ただ服を着る作業をしていましたよね。そしてバイトに行きました。
喜びがないわけではなく、とっても嬉しいのは嬉しいのだけれど、現実味がありすぎるのかなさすぎるのか、そのどっちなのかも全然わからないくらい、よくわからないです。とりあえず、想定していた壮大な感動的シーンというのはなかった。
あまりに選考に通らないので、落ち込みからの上昇を最短距離でいく方法ばかりがうまくなり、オオカミ少年的な、通ったのによし、落ち込んだら上昇だ! というようなバグが起こっている最中であります。
ていうか、そうか! まだ100万円かどうか決まってないんだ! 私これだめだったらどうなっちゃうんだろ? すごい落ち込みなんじゃねえか!? わかんないや、いつも一日落ち込んだら次の日にはもうなんか、別の賞金のことを考えていますので。
賞金はもちろん大事ですけれども(社会的に認められることが一番なので)お話をみんなに読んでもらえたら嬉しいなー! みんなに喜んでもらいたいなー! というその一心であります。いやこれ一心じゃねえな。五心くらいある。
そんな感じで、実はもう今家に帰っておりますので、昨日もねずみがどったんばったんしていて眠れていませんので、今日はもう早くに眠ろうかと思っております。
最終選考は某月某日なので、またやったよー! とかやらなかったよー! とか報告をしようかと思います。なんか、やっぱり想像と全然違うな。この日記もめちゃくちゃ感動的な、涙せずには読めないみたいなものになるはずだったのに、半裸か全裸か、そんな話をしかしていなくて、はてさて。
まぁいいや、とりあえず、落ち込まないためにも次の手を考えながら、今日は眠ります。読んでくれてありがとうねー! 発表があったらいろいろ励ましとか喜びとかよろしくねー!
おやすみー!
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