顔でかくで殴られるより赤いワンピース

 実はわたしは「お前は顔がでかいんだよ!」って言われて二の腕をワンパンされたことがあるのですが。

 あるのですが、といわれてもって感じだろうが、この話を笑い話だと思ってするとたいていの人が、えっ、みたいな。なに急に重い話はじめて、自虐!? みたいな感じになってしまうので、あっごめんごめん、うっそぴょーん! ってなって、次の日に腕が青あざになっていて、これが人に殴られるということか、と感動した話を鞘におさめるのですが。(ワクチン副反応のほうが全然いたいから大丈夫だよ)


 これは懇意にしている人とか気のおけない人に、冗談として言われたわけではなく、別のエッセイで書いてる某ホテルの飲み会でいつも無口な人がめちゃ饒舌で楽しそうだったので、あはは~愉快っすね! みたいな感じで元気に相槌打ったら急に殴られたんですが。


 えっっっっっ!


 ってなるじゃないですか。というのも、あれ、この話どこかでしたかもしれませんがもう一回しますが、それまで私は自分の姿かたちについては、うっすら嫌だな~っと感じる程度で、あまり鏡とかも見ることなく、鏡を見るのが嫌なので試着とかもできない、くらいのよくいるタイプの人間だったので、自分の頭がでかいという認識がなかったんですよね。鏡とかみないから。自分の姿かたちについては極力こう、考えないようにしてですね、ときどき「イケメンと言われるしジャニーズに入れるのでは?」と夢みながら暮らしていたわけです。まぁどんなイケめてる人でもみんなそうだと思うけど、自分の姿形ってパーフェクトなことないじゃないですか。ね、だからめちゃくちゃびっくりして。


 【顔がでかい!!!!!!!】


 っていうテロップが以後私の頭の上にずっと表示されるようになってしまい、むしろ鏡をよく見るようになり、そのたび【顔がでかい!!!!!】のフォントが大きくなっていくわけですよ。


 いやわかんないですよ、もはや自分の顔がどれだけでかいかなんてね、そんなものは、わからんですけど、ね、そういうのはもう、もはやじゃないですか。世の中、多少の年月をすぎると大抵のものが「もはや」になっちゃうようにできてますから。


 それまではわりと顎を指摘されることが多かったので、まぁ指摘というか、普通にあれなので、まぁコンプレックスなのであれですけども、それは私は知っていたので、まぁやだな~くらいで(本当はしぬほど嫌だけど)済むんですよ。


 でもやっぱり突如現れた【顔がでかい!!!!】のテロップにはそういった元からあるコンプレックスとはぜんぜん違う効力があり、わ~この服かわいい~【顔がでかい!!!!】このお店素敵だわ、入ってみようかしら【顔がでかい!!!】すごい具合が悪い、気圧か??【顔がでかい!!!!!!!】

 みたいな感じでまじ重大なバグとして人生と共にあるんですわ。だいぶあれから年数が立ちましたので、元気に暮らしてはいますが、やっぱり時々特大フォントがでてくることはあるわけで。


 なんで急にこんな話をしはじめたのか、それは私にもわかりませんが、もっと楽しい話を書くつもりだったんですが、なぜかこの流れになったので、この流れでつっぱしりますが。


 で、どういう話の流れか忘れちゃったんですが、バイト先のレジでそのお話をマダムにしましたところ、そんなことないよ、と言ってくれて、私はその時点で、なんでまたこの話をしてしまったんだ、ウケないどころか相手に変な気を使わせてしまうだけなのに! と反省で頭がいっぱいだったのですが、そのマダムが「でも、」と話をしはじめました。


 マダムの宅のお母様は洋裁が趣味であったらしく、マダムは小さいころからお洋服はみんな手作り、ギンガムチェックのワンピースやレースのついたブラウスなどを着ていて、それを着られるのがとても嬉しかったのだそうです。そうしてある日、マダムはお気に入りの赤いワンピースを着て学校に行きました。一番好きな服だったと言います。そこで好きな男の子にこう言われたそうです。


「なんでお前がそんな可愛い服着てるんだよ! 〇〇が着たほうが可愛いのに!」


 わーー!!!!

 って。レジで言っちゃいましたよね。私は悲しくて悲しくてレジで普通にちょっと泣いてましたよね。なんでこんな話になったんだ? さっきまでサックス習い直したいんですよねーって話してたはずなのに!? と思いながら、わー!!! ってなって。でもそれで終わらなかったんですよマダムの話は。マダムはうふふ、って笑いながら「それ以来、赤い服は一度も着たことない。クローゼットにも一着もなくて笑っちゃう。どうしても思い出しちゃうのよねー」って。


 って!!!!!!!!


 えーーーーん!!!!!!

 私の殴られた話なんてどうでもいい! めちゃくちゃどうでもよかった! 

 今すぐ時をもどしてその男の子の口を塞ぎたい。えーん!! かなしいかなしい!

ってかなしいモンスターになってしまい、でも本当に、小さいころのそういう一言って永遠に効力あるから、小さくなくてもずっと効力あるから、まじで言動に気をつけたいなと思ったんです。


 で、ここから横道に話がそれてると思わせて、実はつながっていた、というやつをやりますが。昨日の夜、たまたま読んだウェブの漫画が、某氏の漫画にそっくりで、ものすごーく軽い気持ちで「めっちゃそっくりなんだけど!? どゆこと!?」(意訳)とつぶやきました所、なんか今日になってめちゃくちゃ、あの、なんていうんですか、リツイート? とかいうんですか、なんかいろんな人に見えるようにあれされていて、私の体感では1万リツイートくらいされている気分で、いやぜんぜん本当は50とかですけど体感なんで。


 私はその大元の漫画家さんがめちゃ好きなのだったので、つぶやいた当初は出来もあまりよろしくなかったので、若干、イラっとしており、うそだろ? どういうつもりで!? という気持ちもなきにしもあらず、なんならなんでこれが問題視されないんだ? くらいの気概をもっていたのですが、いざこう、もっと本格的に怒ってらっしゃる人のツイットとセットでリツイートされると、ごめんごめんごめん! という気持ちになり、日和ってツイート消そうと思ったけど、それもなんか、意味が出てきてしまいません? なにかアクションするとそれにも意味を取られてしまうのでは? となって、ただじっと増えていくリツイート数を眺めて、増えたな、とリツイート先の方のご意見を見たりなどする日々を過ごしていたのですが。


 燃やしたいわけではなかったし、その人にも認識の甘さはあったかもしれない、そもそも編集が悪いのかもしれない、いやそもそも真似ることは悪なのか、そもそも? もはや私には善悪がわからん、もはや!!!!


 と思いながら見たリツイート先で、子供のタレントさんの母親がやっているツイッターが、自分の子供の二重の幅? みたいなものに対して「ゴミコンディション」みたいな、なんかそんな感じのツイットをしてらしたのを見まして、よくない!!!! と思ったのでした。


 悲しいな。やっぱり宝石になって自分の思い通りに姿かたちをきれいに削れるようになったほうがいいと思うんですよね。でもそうなると、私の好きな体型の人が表れなくなってしまいそうなので、やっぱり、みんなそのままで、そのままが一番いいんだよ、みたいなそんな世界になればいいと思うけど私もできることなら佐藤勝利の顔面になりたいのでそれは無理な話です。宝石の世界になったらみんな美しくなってしまう。美しいということは美徳であるけれどみんな美しくなったらそれは美しいとはいえないのではないか、そんなことはないですか? 私は小さくてふくよかな方が好きなので、あのそういう人がいなくなったら困るのです、でも小さくてふくよかな方は小さくてふくよかなことを気にしているのかもしれず、そんなことを口にしてはいけないのです。この前バイト先の背の高い子と一緒に、背が小さいって可愛くていいよね、という話をして、まじわかる、まじそれな、って話てたけど、こんな話を聞かれたら感じ悪いって思われちゃうから絶対にできないよね、小さい方が絶対にいいのにね、それはそうと今後の人生で絶対に一度も誰にも怒られたくないよね、っていう話の運びになり、え? なんの話????


 こんな話を書くつもりではなかったし、今確認していたら、漫画が似ていた人は垢消しを行って、もしかしたらもう二度と漫画を描かないかもしれない、というような気配がする。あーー!!! 本当にごめんねそんなつもりじゃなかったし、私だけのせいじゃないけど、めちゃくちゃ怒ってる人たちはもうちょっと優しくなってほしい。漫画描いたことなくて、表層を真似るという憧れと苦肉の作だったっぽいし、次はもっと挑戦したいって言ってたし、悪いのはこれを出してしまった編集さんのほうなんだ! でも編集さんのこともそこまで責めないであげてください! こんなことをこんなところで言っても誰にも届かないけどね!!! やっぱり消そうかなツイット。罪か罪じゃないかはもはやわからんが、罪をそんなに燃やしたらね、誰もなにもできなくなっちゃうから、だめだよくらいにしてあげて、そもそもだめなのかどうかも、もはや!!! わたしには!!! わからん!!!! ていうか私SNS向いてなくね? まぁ、いいか。よくないけど。


 そんなこんなで、ひさしぶりに日記を書こうと思ったけど、なんか日記の書き方忘れつつありますね。びっくり。


 最近の私は元気に大学生やっているので、レポート三昧です。なにも終わらないと思っていたけど、やれば終わるんだね。そんでちょっと頭がよくなってような気がする。ちょっと見通しがよくなった気がする。相変わらず数字はわからないけれど、児童書から読んでいけば、さまざまなことが徐々にわかるようになる、ような気がする。児童書でうろうろするのちょっと気まずいけど、でも本当に児童書はめちゃくちゃありがたい。すごくわかりやすいし、そんなことを、世の中の子どもたちはすでに知っていたというのか、と思ってびっくりする。ねー。なんで一度もなにも理解せずに生きてきたんだろう。不思議。


 というわけで、また今度はちゃんとした日記がかければいいなと思っています。今月動物園行くんだーいいでしょ~~お写真撮ったらnoteにあげるかも。そんじゃまたね、バイビー!

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