文章のお葬式
エッセイに上げようとして、途中になっていてもう書けそうもないものがいくつかあるから、今日はもう何も書けそうもないのでこれを上げることでやった感じを出そうかと思う。読むことで消化不良を起こしてもいいかたはぜひ読んでね♡
番号を振っておいたから、気になるのだけ読んでくれてもいいよ♡
1は恐ろしい台風が過ぎたあとのこと
2はなんかマジでいつどのようにして書いたのか分からない物
3は不条理劇の魅力についてかつて語ったものの書き直し
4はお金についてのお話
じゃあ、読経スタート
1 会者定離とか言う
玄関の前に茶色い蟷螂(左側臥位)外水道のバケツの底に蜘蛛(伏臥位)コンクリートの上に雀(右側臥位)あぜ道の上にザリガニ(鋏のみ)用水路の上のコンクリートにザリガニ(上部のみ)水溜りの端にザリガニ(右側臥位)ほかにも無数のザリガニ。
みんな死んでいた。
ドブの中のザリガニは赤色で空を仰いでいて生きていた。棒で突いたら走って後退して見えなくなった。他にもドブの中には生きているザリガニがいた。
空が「写真」みたいな青い色をしているなと感じて、何かが倒錯しているなと思った。でも、景色を見て「絵」みたいだなと思うことは割とよくある。ただ、空を見て「写真」みたいだなと思ったのは初めてだった。
アジアの男の人が二人で住んでいるアパートの部屋の窓には、まだ緑の養生テープが米印に貼られている。遠い異国で。
また虫を殺してしまった。あの虫の名前は死番虫というのだって。
でもあの虫は、死んだ振りをするからね。
どうしていればよいのか分からない。
台風はとても恐ろしかった。昔はあんなに好きだったのに。大人が何か騒がしくなって、空が暗くなって空気がぬるくなって風が速くなって。よくないことが起こるのだと思うと楽しくて仕方がなかった。
もう、あんな風に楽しい気持ちになることはないだろう。死んでしまいたくないと思う。まだ死んでいまっては困ると思う。たぶん、死ぬまでそう思い続けるのだろうと思う。恐ろしい。
テレビの中では実際に恐ろしいことが起こっていて、どうすればよいのか分からない。怖いね、という言葉に上手く相槌を打つことが出来ない。なんだかそれは、とてもよくないことのような気がするのだ。たまたま、自分は普通の生活に戻っていて、それで、怖いねなんて思うというのは。
生きていることが恥ずかしいことのように思うけれど、それはバカみたいだ。今苦しんでいる人と、私の命は関係ないし。こんな風に具合悪くいることが恥ずかしい。いやだなー。と思ってテレビを消す。
目の前に見えなければないのと同じだ。
(ここでこの文章は途切れている)
2 色のない世界のこと
色にまつわる名前を持っている。
もっとも、周りに自分のことを下の名前で呼ぶ人間がほとんどいないのであまり意識したことはない。それと関係があるかないかは別として、今回は、色についての欠陥の話をしようと思う。
これは一昨日ふいに気づいたことなのだけれど、私は色に対して特別な感覚を持っていない。いや、この言葉は正しくはないのかもしれない、でも他によい表現が思いつかないのでこうしておく。
昔よくあったプロフィール帳には好きな色を書く欄が必ずあった。プロフィール帳という言葉に馴染みのない人もいるかもしれない。ならば実は私が芸能人で、雑誌のインタビューで好きな色とかをよく聞かれる人間なのだと思って聞いて欲しい。
今の想定にはあまり意味がなかったかもしれない。
ともかく、好きな色がなかった。青とか黒とか、よく選んでいた気がするけれど、それは赤やピンクという女が選ぶようなものが嫌いだという意思表示としての好きだった。他にも色はあるわけだから好きよりではあったのだろうけど、まぁ怪しい。
あるいは、紫色を好きな人は霊感が強いという噂を聞きつけてずっと紫色が好きだと言っていた時期がある。
おばけが怖いのにどうしてそんなことをしていたのか分からない。友達になりたかったのかもしれない。
ともかく、何が好きかを決定する能力が著しく低いのだ。ただこれは話が違うので今度書こうと思う。
高校二年のとき、放課後に友人と駅のホームに立っていた。
線路の向こうを見たら日が沈み初めていて、なんだかとても良いと思ったので「なんか良いねー」と言った。
それを見て、彼女は大変に感動していた。断定しているのは私が神の視点を持っているというわけではなく、外から見ても明らかに彼女が感動していたからだ。
彼女は私の腕を振り回してこんなことを言った。
「すごいね。いつもこういう景色を見ているんだね」
よく覚えている。
それこそ原風景のようにずっとその時のことが頭の中にあるのだ。
自分一人でここに立っていたら、絶対にこの景色には気が付かなかったと彼女は言った。
(文章はここで途切れている)(マジで?)
3 ゴドーはどこで誰
不条理劇の魅力と楽しみ方について教えてくださいって言っていつか誰かに質問をもらったので、語ったやつを書き直そうと思う。
ずばり不条理劇を楽しむには、深い諦観が必要です。必要というかそれが大前提だと思っています。
不条理劇では劇中でなんの前触れもなく突拍子もない遊びが始まることがあります。言葉遊びをしたり帽子を投げ合ったり、あるいは単に不毛としか思えないような会話を繰り返します。
たとえば、彼の有名な「ゴドーは来るのだろうか?」というようなやり取り。
それらは執拗に繰り返されます。とても重要なことのように。何度も何度も。
ところがそれらは全て何にもなりません。彼らのやっていることは何もかも、何に対しても何の効力も持たないのです。
走り回ろうが、下らない話をしようが、途中で妙な闖入者と出会い、騒ぎ、大きな変化の予兆を手に入れようが、ゴドーは来ません。
そしてそれは、彼らが遊ばなくても同じことなのです。
遊ぼうが遊ぶまいが、世界は変わり、そして変わらない。
ゴドーは来ない。
これこそが深い諦観の源です。
我々人間は、まだ知らない大きな流れや変化に対して何をすることが出来ない。
さらにもう一つ、これは個人的な思いでもありますが、我々は言葉によって他者に何かを伝えることが出来ません。というより、伝わったかどうかを知り得ない。本当に真実同じ思いであるかどうか、確認する術がない。
だから私たちは、永久に一人きり、自分の感情と自分の思いしか知らずに生きて、死ぬのです。
これに対する淋しさ、悲しさ、もどかしさ、そういうものを持っていることが不条理劇を楽しむ大前提だと私は思います。
さて、それでここはなぜ私が不条理劇を好きなのか、という話ですが。
それは不毛な会話と遊びを繰り返すことこそが、何も変えることの出来ない我々が持ちうる唯一の救いであると考えているからです。
無駄で無力で意味のないそれらの遊びは、ともすると諍いの種や単に人を傷つけることにもなります。これはとても悲しいことです。
しかし遊びは、今、その人と自分が同じ場所に生きているということを、一番感じられる行為でもあります。
生きるということは基本的に有益でなければいけません。人間といえど生物ですから、その理から遠く離れることはできません。ご飯を食べて寝る。それだけでなく、働くということも根本は生きるという生物の理に沿った行為であるべきはずです。
それに比べ「高橋一生と星野源に同時に告られたらどっちと付き合う?」などというシュミレーションは無益の極地です。生き物の理からかけ離れた行為と言っても過言ではないでしょう。なぜなら二人とも百五十億パーセント私には告ってくれないからです。
子孫を残すに至る可能性は絶無。人選は思いつきです。
ですが、我々はそれをすることが出来ます。
生き物であるくせに、明らかな無駄である遊びを楽しむことが出来ます。出来る、というのは可能だということ。可能性があるということ。自分が出来るか出来ないか、ということは置いて、我々はそれらを楽しめる可能性を持っている。
勿論、不条理劇においての遊びは無駄であると共に、このように楽しいものではありません。それらを繰り返すたび、大抵事態は深刻になり、最終的に人は大きな波に呑み込まれます。
それでも何も分からないまま、闇雲にでも続け、無駄だと分かりきっているようなことでも繰り返している。そのことに、寧ろ、無駄であるとうことに人間を感じるので、私は不条理劇が好きなのです。
そもそも、不条理劇は見ている我々にとっても、何が起こっているのかよく分かりません。少なくとも、私は不条理劇を見て何かを分かったと思ったことはない。
分からない、がより鮮明になるだけです。
ゴドーって誰だ? キリストと一緒に死んだ泥棒がどうしたんだ? そもそも、ここはどこなのだ? 現代なのか未来なのか、今なのかさっきなのか。エトセトラエトセトラ。
けれど、目の前で起きていることに対して、何かを思います。その思っているということこそ、もう一つの人間の生きている意味のような気がしたりで、まぁそういうことです。
(これはなんか最後まで書いてある風だけどちょっと尻切れトンボすぎる)
4 適切な価格について
たばこを一本売ってくれと言ってきたおじさん
(文章はここで途切れている)
以上です。
みんなよかったね。これで成仏出来るね。
読んでくれたみなさまにおかれましては参列いただきマジでどうもありがとうチョリース! 私は今、結構酔っ払っている。
次回はいよいよ最後のカクヨムコン5の作戦会議のエッセイを上げたいと思うよ。
それじゃ、私は速やかにねむるぜ。そう、GAVAがあるからね!
おやすみなさーい!
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