カクヨムコン5に向けての作戦会議 その2 タイトル

 売れたい。ずっと売れたいと思っている。


 なんならもう小学校三年生くらいからずっと売れたいと思っているような気がする。小学校三年のころは国語が嫌いだったので、というかずっと国語は好きじゃないので、この「売れたい」というのは小説で売れたいということではない。


 ただ売れたいのだ。


 これはたぶん、褒められたいという気持ちと、偉くなりたいという気持ちが合体して出来上がった強い感情である気がする。昔から強い力に憧れがあって、その反動なのかなんなのか、成長していくにつれ力から遠くなっていく。


 私の作業机の前にはムスカのポストカードが貼ってあって「言葉をつつしみたまえ、きみらはラピュタ王のまえにいるのだ」と言っている。


 それくらいの強い力が欲しい。ムスカ、好き。


 ともかく漠然と売れたい気持ちが強いのだ。今では小説を書いているので、もちろん小説で売れたい。というか、やっぱり、ただただ売れたい。具体的に言えば、よねづけんしくらい売れたい。このパソコンはよねづけんしを変換してくれない。


 どうにかして、よねづけんしくらいの才能がぽこっと生まれ出ないものだろうか。結構、徳は積んでいると思う。でも虫を殺すから多分だめだ。


 さて、タイトルである。


 私は内心心底売れたいと思っているが、内心心底なんか特別な存在でありたいとも思っている。どういうことかと言うと、世間に迎合せずに売れたい。


 いや、分かっている。まじで超分かってるから突っ込まないでマジで。


 商業的成功に対する努力は迎合とは言わない。それってすごい技術が必要だし、かなりの才能がいる。単にほいほい流行っぽいものに乗っかればいいわけではない。そもそも、純然たる努力が必要だ。


 自分のやりたいことと、商業的成功と、どちらを取るべきかみたいな話に対して「それを両方やるのがプロだ」みたいなことを宇多田ヒカルも言っていた。めちゃくちゃ恰好良い。私も情熱大陸に出たらそんなようなことを言いたい。


 (宇多田ヒカルはいいよね。椎名林檎との関係も最高だよね)


 だいたい、私は世間にめちゃくちゃ気に入られたいのだ。出来ることなら全世界に気に入られたい。だから実生活ではみんなに迎合している。迎合することは気分が良いものだ。自分の意見など生まれてこの方、肉声では言ったことがないのではないかと思うくらい迎合している。迎合は、楽しい。


 でもまぁ、自分のやりたいことに関していうと、なかなかそうもいかない。


 タイトルの話です。


 長文タイトルがいかに優れているか、そのことについては重々理解しているつもりだ。実際すごく良い。最近出たものでいうと『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』なんて、もはや興味しかわかない。ポケモンだったら「そきゅうりょくはばつぐんだ!」って下に出てる。


 だからそれをやりたい。売れたい。


 けれど一方で、最後まで読み進めて「そういう意味のタイトルだったのね!」みたいな感じになる恰好良い題名を付けたい気持ちだってあるじゃない。人間だもの。


 ぱっと見てなんだか分からないけど、すごく読みたいなと思う気持ちのわき上がる最高のタイトルが思いつかないかな、と毎日思っているけど、そんな才能があればもう売れている。よねづけんしくらい売れている。まさかハチがよねづけんしだったとはね――。


 というわけで、毎日毎日、次の風俗嬢のタイトルを考えている。


 みなさん、タイトル後付けですかね。それとも先付け? なんか和食の献立みたいな言い方になっちゃったけど、私はというと、タイトルが先についていないと書けないタイプなのに思いつかなくて先に書き出して、話がぶれにぶれるタイプです。いやなタイプだね。脱却したいね。


 未来視が出来るタイプの人類なので、教えますけれども、今の次の話のタイトルは長文タイトルにしようとして、でもやっぱり格好良い感じのにしたい、という気持ちがないまぜになった結果、長文だけど訴求力がないよくわからないヤツになるよ。


 以前のバイトの話もだいぶその気が強いよね。長文にするならもうちょっとやりようがあると思う。ターゲットをしぼるとか、そういう機能ついてないくせに勉強もしないからいけないんだよ。


 でもね! 勉強しなきゃという気持ちより、早く書かなきゃという気持ちが勝ってしまうんだよ! 不思議だねー。今もこれ書いていることにすごく罪悪感があるよ。早く小説を書こうね。


 というわけなのでして、これを読まれたみなさんに置かれましては、次のお話がどんなタイトルになるのか、ほんの少しでも楽しみして頂けたらうれしいです。


 私ね、売れたらラジオやりたい。リスナーに甘やかされて、よい居場所にしたい。リスナーのことなんて呼ぶ? リトルわんわん? リトルタイガー? 李徴でもいいよ。寅日子の寅は山月記の虎だよ。私は既に虎なのだ。


 眠くなってきたからこれにて終了。

 次回は「改行するべき? しないべき?」って話をやるよ。でも今回と全く同じ話運びになるだろうね。それじゃあ! トゥース!!!!

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