5-3 解決編【大っきい意味で家族はだいじに!】




「ハイ、どうも〜! いただきますっ! 『ゴーストイーター』のウスバカゲロウ一号です!」


「三号です」


「前回はまたまたアップロード時にサブタイトル間違いすいません!!」


「間違いっていうか、訂正でしたよね」


「そうなんだけどね。コメント欄が『ラフィちゃんねる』の話ばかりになってたから、それならいっそコメント欄を目立たせた方がいいかなって思って」


「転んでもただでは起きない人ですね」


「一号のおかげかな?」


「一号さんといえば、ラフィのチャンネルで動画があがってるって話でしたけど、二号さん観ましたか?」


「観たよ〜!」


「どうでした?」


「一号、っげ、元気そうでよ……よ、かったなって!!」


「一号さん、ラフィのチャンネルにでる暇あったら三号たちに連絡くださーい」


「リンクは概要欄にあ、るよ!! ってことで、今日は解決編!」


「朝起きたら、いつの間にかラフィの猫マイゴッドはいなくなっていました。はじめて会った時は警戒されていましたけど、もう仲良しです」


「他に何か、っか変わっ、たことはあった?」


「特にありませんでした。朝起きて、時間がくるまでお部屋の掃除をして。その後にご家族の方にお部屋をお返しして、ハムスターの死骸を庭に埋めました」


「埋めたって……高校生の息、子さんが落ちた場所に?」


「まぁ、その辺りです。彼は人生に悩んでいましたけど、別に死にたくはなかったんですね」


「っほ、ほほ本当に死にたいなら、もっと高いところから飛ぶもんね!」


「二階って、中途半端な高さなんですよ。でも、飛び降りを選択した。彼は後悔と自責の念に囚われてしまいました」


「か、なしい話だよね……」


「でも…彼は家族のことを大事に思ってましたから、自分が亡くなったことを知られたくなかったんです」


「知られたくないって……そん、なん無理じゃない? お、同じ家に住んでるのに」


「それでも、『自分が死ねば家族がかなしむ』と頭によぎったんでしょう。『かなしむだろうから、隠したい』って思いをストレートに受け取ったのが、ペットのハムスターだったんです」


「あのハ、ムスターは一体な、んだったの?」


「彼の事故後、部屋に入れなくなったので餓死……というところでしょうか。階段近くにあった砂みたいなもの、アレはハムスターの餌でした。今回は動物霊ってことになりますね」


「っど動物霊!! って、どんなものなんだっけ?」


「一般的には低級霊って呼ばれていて、取り憑かれると歩いているときに躓きやすくなったり、お財布を忘れるとか注意力散漫になったり、攻撃的になったり、食べても食べてもお腹がすくとか……まぁ、色々なんですけど」


「結構みんなも、取り憑かれているもんね! あ〜、大変そうだなって、思、うよ! 心に隙があると……っつつつ、つけこまれるんだよな〜」


「……二号さん、霊感ないんですよね?」


「え? も、もちろん! ぼ、僕は動画でう、そ……言わないし!!」


「……ふ〜ん」


「それより話を進めよう! ペットのハムスターがへっ、部屋を閉ざして、たってことでいいのかな?」


「そんなところです。でも、今回の動物霊は二号さんが道ばたで見るような低級霊じゃなくて、もうちょっと想いがあるっていうか」


「どういうこと……?」


「一号さんの言葉を借りるなら、霊感があっても留守電を聞いてるような意志疎通しかできないんですよ」


「幽霊とバリバ、リなコミュニケーションとれるなら、未解決事け、件や行方不明事件をバンバン解決しちゃいま……すよね〜」


「そんな人を描いたドラマもありましたけど」


「信じるか信じ、ないかはアナタ次第!」


「便利な言葉ですよね、ソレ」


「続き……どうぞ!!」


「人間同士でも、死んでしまえば一方的なコミュニケーションしかとれないんです。それが動物と人間なら尚更です。おそらく……ハムスターは飼い主が落ちる瞬間『見られたくない』って想いだけを強烈に感じ取って、忠実に実行し続けたんでしょう」


「具、体的には?」


「扉を開けるとき、ちょっと抵抗があったんです。おそらく、窓が開いていたから気温差とか風のせいだと思うんですけど。扉をガチャガチャやったらすぐ開きましたし」


「すんなり開い、った、よね!」


「家族の方には強烈な先入観がありますから。扉を開こうとした時の、ほんのちょっとの風の抵抗を大げさに感じてしまったんでしょう」


「先入観ねぇ……確かにソ、レは家族にしかなっ、いかも」


「息子さんとハムスターが協力してお部屋を閉ざしていたって線もありますけど」


「それは怖いか、らやめよう」


「一緒に居たそうだったので、ご主人様の亡くなった場所の近くに埋めてあげました。死んでしまった人は戻りませんので、あとは生きている人間の問題ですね」


「依頼主、納得してくれたっ?」


「それなりには」


「よかったね! じゃ、今……回のまとめは?」


「ペットを飼うって、どういうことだと思いますか?」


「癒、しかな?」


「命をひとつ、自分の手の中におさめるんです。命には意志があって、心があります。それを忘れないで下さい」


「大事な人の、しっ、死が辛いの、は分かりますが、ペットのお世話も忘れずに!」


「ハムスターのこと、すっかり忘れていたって言ってましたね。無理もないですけど」


「故人のペットとかって、遺志を受け継いで、い、たり……念が乗り移ってる場合が多いから、大事にしてあげてください!!」


「そして大体、偏った遺志である場合多いので、敬意を忘れずに」


「みんな家族! という、こ……と、でし、たね!!」


「ハイ。じゃあ、次回予告いきましょうか」


「………」


「浅葱さん?」


「………」


「えっ? なんですか?」


「ご、ごめん、三号くん……僕、ぼく、も、もう無理……っ」


「あっ! 浅葱さん!!」


「……おっお手洗い、失礼しますっ!!」


「えっと……浅葱さ、じゃなくて二号さんは、急な腹痛?のため本番中ですが退出されました。ラフィのチャンネルで一号さんの動画見てから、ずっと調子悪そうなんですよね。ゲーゲー吐くし……あ、お食事中の方がいたらゴメンナサイ。


仕方ないので、三号から次回予告です。


次回は、えーっと……『正方形の部屋』です。


なんじゃこのネーミング。

相変わらずセンスがないですね。


資料によると、クローゼットで立て続けに自殺案件があり、事故物件として一流の道を極めようとしていたのでクローゼットそのものを取り払い、収納ゼロの正方形の部屋としてリフォーム……しかしその後も人が長く住まない……ってことですね。


さて、次はどんな事故物件なんでしょうか。


もし、今回の動画についておもしろいと感じていただけましたら、どうか高評価とチャンネル登録をお願いします。


それでは、ごちそうさまでした〜。


次回までには、トイレと仲良しになっているポンコツ二号さんを治しておくので次も見て下さい。


『ゴーストイーター』でした。


ばいば〜い」






<コメント:新着順5件表示>


アカウント名:うなぎのピノく

転んでもタダでは起きないw

ラフィのチャンネルからゴーストイーターに流れてくる人もいたし、チャンネル登録者数結構増えたんじゃない?w

チャンネル登録者数4900人(半端すぎ)おめでとう!!w


アカウント名:余り裕

二号さん、ろれつ回ってないし変なところで言葉が切れてますけど大丈夫ですか?

編集してないんじゃないの?

いつものテロップもロクにでてません!

もしかして、本番中に酔ってますか?

ちょっと登録者数増えたからって調子にのるなよ笑


アカウント名:チ牟田無

三号くんのしゃべり、段々うまくなってきたね。

二号は動画にでるのためらうレベルで顔色悪いんだけど???


アカウント名:もう梵字

やっぱり一号さんの過去動画、黒くなってみれない><

対応して〜。


アカウント名:R san

good^^

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