"K" in The Present Box

 某日、組織上層部パーティは高層タワーで行われていた。

 豪華絢爛の会場には如何にも、と言える程の人物ばかりである。


「お見事でしたな」

「何、簡単な事ですよ」

「しかし、島が消し飛ぶ程やらなくても」

「あれくらいしないと処分できないのでね」

「違いない!」

「サンプルの事は痛手ですがな」


 下卑た笑い声。この者達は化物が死んでも人間が死んでも何とも思わないだろう。


「さて祝杯といきましょう」

「全くその通りだ、わはは」


 組織の幹部が壇上に立つ。祝辞でも言うつもりだろう。


「えー今回はこのパーティにご参加頂き、誠に……」

「失礼します、お祝いのプレゼントが届きました」


 話を遮り、現れた女性。その手には綺麗な大箱を乗せた荷台がある。


「何だね、時を弁えたまえ」


 幹部は少し苛立っていた。気持ちよく祝辞を言っていたのを邪魔されたのだから。


「いえ、これが最高のタイミングなんですよ!」


 瞬間、消える照明。

 外からの爆音。

 立ち昇る火柱。

 誰もが予想だにしなかった。


 そして……






「ハァイ、ゴミクズ共」





 その声と共に箱から化物プレゼントが飛び出した。

 白のドレスに獣耳の可愛らしい少女の姿。


「スポットライト、いい感じだな」

「調整しましたから」

「さっすが」


 幹部とコイツらには言っておきたい事が山程ある。


――「」前にだ。


「テメェら、私が一番嫌いな事知ってるか?」

「な、何故お前がココに!」

「黙れ! ゴミクズが!」


 うっかり蹴ってしまった。


「ぬがっ!、が、あぁが!」

「危ない危ない、殺す所だったよ」


 転げ回るゴミクズに言い放つ。まだ殺さない。


「質問に答えろよ、おい」

「ガッ……! ぐっあ!」

「……答えろ!」

「Ms.K、ソイツ、顎砕けてますよ」


 オペレーターに言われて気がついた。アレで砕けるのか。


「なら変わりに言ってやるよ、私が嫌いなのは『』事だ!」


 音割れする程にマイクで叫んでやった。そして見せしめだ。


「いいか? 私をお前らの都合で振り回すのは許してやる。だがな、切り捨てたらどうなるか目ン玉に焼き付けとけ!」


 幹部の首を蹴りで刎ね、内臓を引き摺り出し、四肢をちぎり、踏みつけ細切れにした後、汚ぇ血と肉をバラ撒いてやった。


「よく見える様にイルミネーションつけてやるよ!」


 部屋の爆弾を起爆させ辺りを照らす。

 悲鳴が反響する。


「あははは! 悪い子のお前らが今一番欲しいプレゼントは無い! あははは!」


 良い子にしかプレゼントはあーげない!

 ショーをしている間にヘリを取りに行ったオペレーターが迎えにくるまで舞踏会をS席で見物する。踊れ踊れ、ゴミクズ共!

 

『着きましたよ、ロープ降ろします』

「サンキュー」


 窓ガラスを蹴破ってロープに掴まった。

 なんともいい気分だなぁ!


「ああ! 言い忘れてたよ!」










――MERRY CHRISTMAS !













同日 組織最上層部、Kに特別権限を付与。

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化物少女K -Mission of Zero- 物書未満 @age890

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