Espionage11 裏切

「まぁゆっくり眠りな」


 アイツの死体からサンプル取って、煙草を一本供えてやり、私は煙草を一本咥えて火をつけた。


「ふぅ、楽しかったなぁ。さぁ帰るか」


 煙草を吸いながらVTOLの発着地へ向かう。

 

「オペレーター、さっきの動画は?」

『撮りましたが、貴女に転送してから削除します』

「……分かってるな、お前」

『あれは貴方達だけの物です』


 オペレーターはこういう所を分かってる。


「帰るわ……ん? なんだ! 爆撃だと!」

『くっ、ステルスに騙されました! 多数の爆撃機が島へ接近!』

「所属は?」

『我々の組織です! まさか……』


 これは私が一番人間にされたくない事だ!


「『切り捨て』だ! 上層部の奴らだろ!」

『調べました、秘密会議の音声からそのような主旨の発言が!』

「…………」

『通信が妨害されかけています! ナめたマネを! 暫くしか通信がもちません!』

「……おい、オペレーター」

『なんでしょう?』





「クリスマスまで後何日ある?」











『ふふ……後三日、ですよ』


 ザッ……ザ……


「十分だ」


 ザザッ……ザー



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