第149話

『どんなお仕事なの?』

『どうも手作りギターを作る仕事の手伝いらしい』

『ふーん…私は反対だわ』

『えっ、だめなの?どうしてなのさママ…さっきは、何か趣味でもいいからなにかやれって言ってたじゃないか』

『ええ、だから仕事のお手伝いだったら反対です。でも、お金をもらわないで趣味でお手伝いに行くなら反対しないけど』



「えっ、どういう意味なの」


 不思議そうな顔で佑樹が尋ねる。


「うむ…きっと、家族のためにお金を稼ごうと焦っているわしを見抜いていたにちがいない。病み上がりの身で、稼ぐための仕事に行かせたらまた体を壊してしまうかと心配したんだろう」


 汀怜奈が優しい眼差しでおじいさんに言った。


「おばあさまはおじいさまのことを、よっぽど大切にされていたのでしょうね」

「うん…そういうことになるのかな…」

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