第4話 原 因


先ほどの在来線も空いてはいたが

新幹線もすいていた。

スーツケースを隅に押しやりリュックを棚に上げ席に着く。

平日ってこんなものなんだと改めて感じる。仕事に追われ疲れても眠ることができない事すらあった自分が情けなく思えてきた。

周りが全く見えていなかったのが

つくづくわかる。


はぁぁぁぁ…。


またため息が出てしまう。

この何日かで一体何回のため息を吐き出しただろう。

一生分ぐらい吐き出してるのではないかと思い苦笑いしてしまう。

上着のポケットから圏外になっているスマホを出し眺る。


もうこれも必要ないな。

まぁ時計代わりにはなるか。


そんな事を思いながら、缶ビールの

プルトップを開けゴクゴクと喉を

鳴らしてビールを体内へ流し込む。


「うめぇ」


平日の昼間から飲むビールの味は格別だった。

まい泉のポテトサラダサンドを

食べながら景色を眺めていた。

畑に田んぼ。

山の中を走る新幹線。

のどかだなぁなどと思うも、すぐに

かわり映えしない景色に飽きてきた

俺は目を閉じた。


そして結局はまた妻の事を考えてしまう。

一体、自分の何が行けなかったのかが全く分からない。

彼女が仕事で遅くなった時には出来ないなりに料理もした。

風呂掃除だってしたではないか。

今思えば男と出かけついたのかもしれないが、友達と出かける際に嫌な

顔などしたことすらない。

何故?

浮気されなければならなかったのか?

原因が見つからない。


結婚して2年目はお盛んでなければ

ならなかったのだろうか?

付き合っていた当時から、あまり

興味がないと言うかそういった行為を求めたことが少なかったかもしれない。

だからと言って彼女が求めてきたことを拒んだ覚えもない。

だとしても考えられる事はこれしか思い浮かばなかった。


はぁぁぁぁっ…。


とまた深くため息をつき

ビールを煽る。


じゃ一体どうすればよかったんだ?

猿の様にやりまくれば良かったのか?今になってはもう遅いのだが全く分からない原因を探し悩んでしまう。

悩んだ所でもう関係は修復できない。

修復したいとすらも思わない。

ただ自分がこれがどうしたらいいのか全くわからないだけだった…。

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